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Googleブック検索の和解案修正 日本など対象外に

» 2009年11月16日 09時26分 公開
[ITmedia]

 米Googleは11月13日、Googleブック検索をめぐる和解案の修正版を裁判所に提出した。対象国を米英などに限定するといった変更を加えている。

 この和解案は2008年10月に、書籍を電子化して検索可能にするGoogleブック検索サービスをめぐり、出版社・作家の団体が起こした集団訴訟で提示された。和解案は、Googleの米国の絶版書籍の電子化と商業利用を認めるというもので、独禁法やプライバシーの点で懸念があると指摘する声が上がっていた。また和解が国際条約を通じて他国にも及ぶことから各国が懸念を表明していた。

 Googleと出版者側はこうした批判や懸念を受けて和解案を以下のように修正した。主に、和解の及ぶ範囲、権利者の所在が不明の作品(いわゆる孤児作品)の扱いなどが変更されている。

  • 和解の対象となるのは米著作権局に登録されている書籍、または英国、オーストラリア、カナダで出版された書籍のみ

  • 修正版では、Googleが孤児作品を販売できる点は変更していないが、孤児作品による収益の扱いを規定している

    修正版は、Googleが設立する権利管理団体Book Rights Registryに対し、孤児作品の権利者を探すこと、これら作品からの収益を保持しておくことを義務付ける。5年経過後、孤児作品から得られた収益は、権利者探しの費用として使用することができる。Book Rights Registryの経費に使用したり、ほかの権利者に分配することはできない。10年経過後、同レジストリはこれらの収益を非営利団体や政府機関に提供する許可を裁判所に求めることができる

  • 和解の対象となる書籍(孤児作品も含む)は、Amazonなどほかの書店にも卸売りする。その場合、権利者は売上高の63%を、書店は残る37%の大半を受け取る

  • 電子書籍へのアクセス方法について、修正版ではオンライン経由のアクセスのほか、オンデマンド印刷、ファイルダウンロード、消費者向けサブスクリプションに限るとしている

  • 孤児作品に関して、いわゆる「最恵国条項」を削除した。この条項は、Book Rights RegistryがGoogleよりもいい条件で他社に書籍をライセンスした場合、その条件をGoogleにも適用しなければならないと定めていた

 Googleは、「今回の修正により、和解を通じてできるだけ多くの国の書籍を利用できるようにすることがかなわなくなり、残念だ。しかし、世界中のすべての書籍をネットで利用可能にするという使命達成に向けて、各国の権利保持者と引き続き協力していきたい」とコメントしている。

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