米Microsoftは約1年前に米Yahoo!と結んだ提携に基づき、米国でのYahoo!の検索トラフィックのうち最大25%にオーガニック検索(通常の検索)と有料検索の結果を提供し始めた。
Microsoftは昨年7月、Yahoo!の検索サービスをバックエンドで支えるエンジンを提供し、10年契約の最初の5年間はYahoo!サイトで発生した検索収入の88%をトラフィック獲得コストとして支払うことで合意した。一方のYahoo!は、両社の検索広告主への販売をワールドワイドで引き受けることになった。
この提携の狙いは、検索市場で米Googleに対抗することにあった。Googleは米国の検索市場で66%のシェアを誇る。MicrosoftとYahoo!の両社のシェアは合わせて30%程度と見込まれている。
Yahoo!で製品管理を担当するマーク・モリシー上級副社長は、Search Engine Landの記事の中で、テスト用検索結果の一部に「powered by Bing」というタグが付けられると述べている。移行が完了すれば、このタグはYahoo!のWeb検索ページの下部に表示されるようになるという。
両社が画面構成をテストしているために、Yahoo!のサイトで表示される一部の検索結果がこれまでとは違って見えるというユーザーもいる。
しかしYahoo!の検索製品事業部のカーティク・ラマクリシュナン副社長によると、検索結果の4分の1をBingが提供しているが、Yahoo!の検索エンジンのWebページはユーザーには同じように見えるはずだという。
例えば、Yahoo!の公式ブログに掲載されている画面ショットでは、検索結果ページ内で枠に囲まれた部分がMicrosoftから提供されたものだが、残りの部分はYahoo!による検索結果だ。
この複雑な統合に向けたロードマップを5月に発表した両社によると、米国とカナダでは8月ないし9月に、PCと携帯端末向けのオーガニック検索リスティングにMicrosoftの検索エンジンが採用され、10月には有料検索でもMicrosoftのエンジンが採用される予定だ。
Microsoftのオンラインサービス部門のサトヤ・ナデラ上級副社長によると、両社ではMicrosoftのadCenterに広告を移行する方法を顧客に説明しているという。
「Webサイト管理者は、アルゴリズムの移行に備えて、自社のWebサイトがBingのクローラーにどう扱われるかを熟知する必要がある」とナデラ氏はアドバイスする。
「このテストフェーズの間は、Yahoo!とBingの検索結果ページで自社サイトが現在、どのように表示されるか確認することが重要だ。そうすれば、自社サイトをBingの結果に正しく反映させるためにサイトを修正したり、両社の開発チームにフィードバックをしたりする必要があるかどうか判断できる」とナデラ氏は話す。
さらに同氏によると、Webサイト管理者は検索クローラーポリシーをMSNBot/BingbotおよびYahoo!のボットに適応させる必要があるという。Bingの新しいWebサイト管理者用ツールに関する詳細については、Bingチームによる公式ブログに説明がある。
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