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HP決算、増収増益だが震災とPC販売減速で通年見通しを大幅引き下げ

» 2011年05月18日 07時55分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Hewlett-Packard(HP)は5月17日(現地時間)、第2四半期(2〜4月期)決算を発表した。売上高が前年同期比2.5%増の316億ドルで、純利益は同4.7%増の23億ドル(1株当たり1ドル5セント)と増収増益だったが、通年の業績見通しを引き下げた。東日本大震災による日本での販売減少および部品供給不安や、コンシューマー向けPCの売り上げの鈍化を理由としている。同社はPC市場で首位に立っているが、PC市場全体が米AppleのiPadなどタブレット端末の台頭の影響を受けている

 同四半期の業績はアナリスト予測を上回ったが、業績見通しの引き下げを受けて同社の株価は急落している。

 売上高を部門別で見ると、サービス、サーバ、ストレージ、ネットワーキング、HPソフトウェアを含むエンタープライズ部門は前年同期比6.7%増の152億9700万ドル。サーバ、ストレージ、ネットワーキング部門が15%増と好調だったが、注力しているサービス部門は2%増。一方、コンシューマー向けPCのパーソナルシステム部門は5.4%減の94億1500万ドルだった。イメージング&プリンタ部門は5.4%増の67億4500万ドルだった。

 地域別では、北南米地域は前年同期比2%増の138億ドル、欧州、中東およびアフリカは1%減の117億ドル、アジア太平洋地域は10%増の61億ドルだった。

 業績発表後の会見でレオ・アポテカーCEOは「エンタープライズ部門はあるべき速度で成長していない」とし、同社は大きな転換期にあるがこうした転換には時間がかかると説明した。

 第3四半期(5〜7月期)については、売上高は311億〜313億ドル、純利益は1株当たり約90セントと予想。また、通年の業績予想は、売上高を1290億〜1300億ドルと前回発表(1300億〜1315億ドル)より10億〜15億ドル引き下げ、純利益は1株当たり4ドル27セント以上(前回は4ドル46セント〜4ドル54セント)とした。

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