Google日本法人は10月4日、動画共有サイト「YouTube」で、投稿動画が著作権を侵害していないか自動で識別する「Content ID」機能を強化したと発表した。違反動画の検出精度を高め、左右を反転した“ミラーリング動画”も検出できるようにしたという。
Content IDとは、コンテンツ権利者が事前に登録した動画について、全く同じ動画だけでなく似た動画や、一部が一致する動画も自動でピックアップして権利者に通知する機能。Googleは同機能の開発に3000万ドル以上を投資し、2007年のスタート以降も研究開発を進めている。
今回、動画検出アルゴリズムの強化とあわせ、著作権侵害を指摘されたユーザーが権利者に異議を申し立てるためのプロセスも改善した。
米Googleのデービッド・ローゼンシュタイン YouTubeプロダクトマネジャーによれば、Content IDの登録者が、自分の所有していないコンテンツについても誤って登録してしまうパターンが存在するという。この場合Content ID登録者は、真の権利者に対し“誤って”著作権侵害の申し立てをしてしまうことになる。
これまでも、著作権侵害の申し立てを受けたユーザーが無効を主張するためのプロセスはあったものの、その主張が否定された際に再び異議を申し立てることはできなかった。そこで今回、主張を否定されたユーザーによる異議申し立てを可能にし、真の権利者が保護されやすい仕組みにしたという。
「ネットでは権利者が自分のコンテンツがどこでどのように使われているか分かりにくい」とローゼンシュタイン氏。同社は今後もContent IDの改善を進め、権利者がWeb上にコンテンツを公開して利益を得やすい仕組みを整えていく考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR