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» 2019年05月24日 08時00分 公開

アニメに潜むサイバー攻撃:「笑い男」事件は実現可能か 「攻殻機動隊 S.A.C.」好きの官僚が解説 (1/12)

そう遠くない未来、現実化しそうなアニメのワンシーンをヒントに、セキュリティにもアニメにも詳しい内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の文月涼さんが対策を解説します。第6回のテーマは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」です。

[文月涼,ITmedia]

連載:アニメに潜むサイバー攻撃

サイバー攻撃は、時代に合わせ、攻撃の対象や手口が変化してきました。しかし近未来の世界、最新技術へのセキュリティ対策はイメージしにくい部分もあります。そこで、そう遠くない未来、現実化しそうなアニメのワンシーンをヒントに、セキュリティにもアニメにも詳しい内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の文月涼さん(上席サイバーセキュリティ分析官)が対策を解説します。第6回のテーマは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」です。

文月(以下F): 前回の連載から、ずいぶんと間が空いてしまいましたね。

ITmedia NEWS編集K: ぷんぷん。連載すっぽかして、何していたんですか?

F: 毎年2月1日〜3月18日は「サイバーセキュリティ月間」で、その期間は忙しいですし、そうでなくても今年はもう一冊、中小企業向けの「情報セキュリティハンドブック」を作っていて、もう、とても口では申し上げられない、アニメならモザイクか口から虹が掛かるような状況でした。

K: 詳しく聞いたらいけないんですね。きっと。

F: ええ、後生ですからお聞きにならないでください(うつろな目)。ああ……サイボーグ化したい……。

photo (C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

著者紹介:文月涼(ふづき・りょう)

大阪市立大学卒。日産自動車就職後フリーライター・カメラマンに。デジタルカメラに関する記事を執筆するが「あまりに辛辣な記事を書くため、さまざまな事情で引退」(本人談)。その後、内閣官房内閣広報室、内閣サイバーセキュリティセンターに勤務。「国民の皆さまにサイバーセキュリティに関する興味をもってもらうためには『何でもする!』をモットーに連載しているので、登場する本人のキャラクター像は意図的にかなり大変ものすごく脚色されています。あしからずご了承ください」(同氏)。なお、本コラムは著者の個人的意見ないしはフィクションであり、所属する組織の方針とは一切関係はありません。


(編集部注)以下、ストーリーの核心に迫るネタバレを含みます。ご注意ください。


F: 今回は満を持して、アニメ史上最もリアルなハッカーを描いた、攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(以下S.A.C.)の「笑い男」の話を取り上げたいと思います。

K: この連載を企画したときから、Fさんには絶対この話を取り上げていただきたいと思っていました。Fさんがよく着ているコート、「笑い男」のものですよね。

F: 昔、あのコートが発売されたとき、“秒で注文した”くらい「笑い男」には思い入れがあります。「笑い男」は私だけでなく、国内外を問わず多くのハッカーに影響を及ぼした人物といえるでしょう。私はよく、アニメの中におけるハッカーのリアルさについていちゃもんを付けますが、「笑い男」に関しては、これほどリアルなハッカーは存在しないと思います。

K: おお、フィクションなのにリアル。どのあたりがそう思われますか?

F: ふふふ。それは、私が最も語りたいことでもあるので、後半のお楽しみに取っておいて、まずは作中の「笑い男事件」の実現性を検証していきましょう。

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