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» 2019年09月27日 07時00分 公開

これからのAIの話をしよう(データリテラシー編):“Amazonで実験を続けた男”は好奇心の塊だった 元幹部が語る「データの価値」 (4/4)

[松本健太郎,ITmedia]
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好奇心から全てが始まる

――ZOZOではどのような挑戦をしていきたいですか。ECサイト上の購買履歴、ZOZOSUITを着用した人の身体データ、物流データなどを多く持っていますが。

 私は探究することが非常に好きなんです。日本語は読み書きもできないので、できるだけ人を観察し、どこが私の知っている点と違うのかを探し出して「これはどうしてこうなってるの?」と聞いていきたいと思います。なので、いろいろな面で貢献できると思いますよ。

――「観察」という言葉が非常に興味深いと感じています。著書の中にも、さまざまな観察と実験の記録があります。私もデータサイエンティストですが、どうすればこんなに面白い実験を思い付くのだろうと、驚きと不思議な気持ちでいっぱいになりました。

 私は、人々がどうやって決断するかに対して非常に興味を持っています。どうすれば気付けるか、それはCuriosity(好奇心)という言葉で大体片付けられてしまうんですよね。

――そうはいっても、つい数字に目が向いてしまいます。数字の背景にいる人間を忘れてしまうんです。

 あなたはもっとクリティカルシンキングを鍛えるべきでしょう。もし誰かがあなたに対してAとBという選択肢を示し、どちらかを選ぶように強いるなら、そもそもどうしてそういった選択肢を出してきたのかを考えなければいけません。

――ワイガンドさんは、論理的に物事を見るサイエンスの視点と、論理だけでは割り切れない部分も重視するアートの視点の両方を兼ね備えているように見えます。

 そうかもしれません。私が博士号を取ったときの教授はデビット・ルーメルハートでした。彼は認知心理学者で、パーセプトロンにバックプロパゲーション(機械学習のアルゴリズム)という方法を取り入れたニューラルネットワークの研究者でもありました。ですから私も認知科学とコンピュータ科学をミックスして学べたんです。

――データサイエンティストの多くは、サイエンスが専門領域なのでアートは弱いかもしれません。どうすれば観察力を鍛えられますか。

 それは難しい質問です。まずは良いお手本が必要ですし、ZOZOにおいては私自身が模範となる人間にならないといけないでしょうね。答えを見つけようとする思いを持つ、フィードバックをポジティブに行う、そういった行動が探求心につながるのではないでしょうか。

(続く)

著者プロフィール:松本健太郎

株式会社デコム R&D部門マネージャー。 セイバーメトリクスなどのスポーツ分析は評判が高く、NHKに出演した経験もある。他にも政治、経済、文化などさまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とする。 本業はインサイトを発見するためのデータアナリティクス手法を開発すること。

著者連絡先はこちら→kentaro.matsumoto@decom.org


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