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» 2021年06月25日 07時00分 公開

庭の水やりで身近なIoTを体験、自動水やりシステムの構築 〜LEDやLCDで水分量を表示〜名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第41回)

ラズパイを使って土中の水分量をもとにした水やりシステムを構築します。

[岩泉茂,ITmedia]

 前回は地中の水分を測定してコンソールに表示させてみました。しかしコンソール画面だけでは何となく物足りない気がします。そこで今回はそれまでのプログラムを元に、状態に応じてLEDを点灯させたり、LCD(液晶ディスプレイ)に情報を表示させる仕組みを作ります。

状態に応じてLEDを点滅

 まずはブレッドボード上にLEDを取り付けて、Dryの場合は点灯、Wetなら点滅、VeryWetなら消灯としてみましょう。LEDをつなげるためには抵抗が必要ですが、抵抗値は以下の式で求められます。

 抵抗値(Ω)=(電源電圧−順電圧値)÷電流値(A)

 今回使ったのは手元にあった秋月電子通商で発売されている5mmピンク色LEDですが、このLEDは順電圧値が3.1V、電流値が20mAなので、今流しているラズパイの電圧は3.3Vですから、

 (3.3−3.1)÷0.02=10(Ω)

 となり、10Ω以上であれば大丈夫です。ただし10Ωだとさすがに明るすぎたので、100Ωの抵抗を取り付けました。

 そして動かすプログラムは以下のようになります。gpiozeroでは、LEDのライブラリは「LED」になりますので、それをimportしておきます。

#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
import time
import subprocess
from gpiozero import MCP3002
from gpiozero import LED
Vref = 3.3 # 基準となるラズパイの電圧
led = LED(25) # LEDをGPIO 25(22番ピン)に接続
# 値の最大値と最小値
dry = 270
water = 119
interval = (dry - water) / 3
wet = water + interval
lbdry = dry - interval
try:
    while True:
        pot = MCP3002(channel=0)
        hum = round(pot.value * Vref * 100,1)
        if (hum < dry and hum > lbdry):
            print("Dry")
            led.on()
        elif (hum > wet and hum < lbdry):
            print("Wet")
            led.on()
            time.sleep(0.1)
            led.off()
            time.sleep(0.1)
        elif (hum > water and hum < wet):
            print("very Wet")
            led.off()
        time.sleep(0.2)
except: KeyboardInterrupt
subprocess.call('clear')
spiled.py
Raspberry Pi LEDを取り付けた。Dryの時には点灯する
Raspberry Pi 完全にぬれた状態だとLEDは消える
Raspberry Pi 接続図

 特にコンソールでの表示はいらないという場合であれば、上記のprint文を全て#でコメントアウトしてください。

 ここまで来ると何となく測定器っぽいなと思えてきます。次回はこれを踏まえて、実際に水やりをする機構を作り上げていきます。

LCDに表示させる

 ラズパイで使えるLCDはさまざまな種類がありますが、一番簡単なのはセンサーでも使っているSPI接続で使えるものと、I2Cで使えるものの2種類です。I2Cは2つの線でつなげて使えるので簡単です。そこでLCDはI2Cで使えるものの中から選択します。

 そしてこれまたI2Cで使えるLCDはさまざまな種類があるのですが、ラズパイとの相性などを考えて「AQM0802A-RN-GBW」を使うことにしました。8W×2Lの表示ができる“AE-AQM0802”という名前で販売されているLCDは何種類かありますが、こちらはバックライト付きで、L2Cの通信を安定させるバスリピーター「PCA9515」が基板に搭載されているモデルです。ほかに16W×2Lという「1602」のLCDもありますが、今回は情報量が少ないので、8×2で十分です。

AQM0802 I2C接続で使えるLCD「AQM0802」

 AQM0802を使うためのプログラムのポイントは、まず初期化のコマンドを送ってLCDを初期状態にして、それから表示させる必要があることです。AQM0802の初期化コマンドはデータシートから「0x38」「0x39」「0x14」「0x73」「0x56」「0x6c」「0x38」ですので、これを送る関数を設定しておきます。

 これを踏まえたプログラムは以下のようになります。ここでは「wetmon.py」として保存します。

#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
import time
import subprocess
import smbus
from gpiozero import MCP3002
from gpiozero import LED
Vref = 3.3 # 基準となるラズパイの電圧
led = LED(25) # LEDをGPIO 25(22番ピン)に接続
i2c = smbus.SMBus(1)
addr = 0x3e # AQM0802のアドレス
# AQM0802の初期化
def_command = 0x00
def_data = 0x40
def_clear = 0x01
display_On = 0x0f
LCD_2ndline = 0x40 + 0x80
# 値の最大値と最小値
dry = 270
water = 119
interval = (dry - water) / 3
wet = water + interval
lbdry = dry - interval
# AQM0802の関数
def command( code ):
        i2c.write_byte_data(addr, def_command, code)
        time.sleep(0.1)
  
def writeLCD( message ):
        mojilist=[]
        for moji in message:
            mojilist.append(ord(moji)) 
        i2c.write_i2c_block_data(addr, def_data, mojilist)
        #time.sleep(0.5)
 
def init_lcd ():
        command(0x38)
        command(0x39)
        command(0x14)
        command(0x73)
        command(0x56)
        command(0x6c)
        command(0x38)
        command(def_clear)
        command(display_On)
init_lcd()
writeLCD("Joutai:")
try:
    while True:
        pot = MCP3002(channel=0)
        hum = round(pot.value * Vref * 100,1)
        if (hum < dry and hum > lbdry):
            command(LCD_2ndline)
            print("Dry")
            writeLCD("Dry     ")
            led.on()
        elif (hum > wet and hum < lbdry):
            command(LCD_2ndline)
            print("Wet")
            writeLCD("Wet     ")
            led.on()
            time.sleep(0.5)
            led.off()
            time.sleep(0.5)
        elif (hum > water and hum < wet):
            command(LCD_2ndline)
            print("very Wet")
            writeLCD("very Wet")
            led.off()
        time.sleep(1)
except: KeyboardInterrupt
command(def_clear)
subprocess.call('clear')
wetmon.py

 nanoなどで記述して保存したら、実行してみましょう。

$ python wetmon.py
AQM0802 画面に今の状態が表示される
AQM0802 LCDを拡大してみた

 AQM0802とコンソール画面に「Dry」などと表示されればOKです。次回は実際の水やりシステムを構築していきます。

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