ただ、かなり細部まで作り込まれているので、例えば、切れ味が悪くなった時、自分で研いでも大丈夫なのかと聞いてみた。
「素人が研ぐのは難しいと思います。とはいえ、業者に頼むと、買い替えるより高くつきそうです。まあ、2段刃付けも耐久性を高めるためのものですし、とにかく長く使ってもらえるように作っているので、切れ味が落ちるのは、それこそ金属を切って刃こぼれしたとか、そういう場合だけだと思いますよ。想像以上に長持ちすると思います」と藤谷氏。
かしめ部分も、職人が組み立てた後に最終調整できるように特製のビスナットを作って、一つ一つ調整した上で、ビスを回せない状態にして出荷しているので、ユーザーが調整する必要はなさそうだ。そのあたりも「正直」に作られているのだ。
「上質な開閉感とはなんだろうと考えた時に、上質な動きと感じるものを(開発時の)メンバーがそれぞれ、家から持ち寄ったんです。カメラのレンズとかそういうのを。それで感じたのは、一定の速度で滑らかに動くもの、操作感が軽過ぎずに精度の良さを感じるものは上質な動きではないかということでした。かしめの強さや刃の接触面積、開閉荷重まで、そういった上質な切れ味と感触に近づくように、細かく色々やってます」と藤谷氏が言うように、実際、かなり高級感があるはさみに仕上がっている。
それで、2000円台。確かに普段使いのはさみの定番になる可能性を秘めた商品なのだと思う。
【訂正:2022年11月7日12時30分更新 ※初掲載時、協力したデザイン会社の名称をTakrumと記載していましたが、正確にはTakramでした。お詫びして修正いたします】
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