上のイラストに使ったのは、スマートフォンアプリ「Meitu」の「AIイラストメーカー」。技術の詳細は明かされていないが、イラストや写真を入力すると、“AIイラスト”が出力されるという。
入力画像からAIが新たな画像を作り出す、いわゆる「image2image」と呼ばれるサービスだ。元が粗かったり下手だったりしても、精密にしたり、画風を変えて「上手くした」バージョンを、数秒で簡単に作ったりできるのだ。
AIイラストメーカーはスマホアプリで気軽に使えるのが強み。Discordが前提だったり、イラストを出力するための“呪文”を考える必要がある「Stable Diffusion」などよりハードルが低く、利用者が急増している。
自分の写真をイラスト化したり、VTuberが自分のアバターを“盛る”ムーブメントも起きている(関連記事:AIで、3歳児のラクガキが“超美麗”に!? 「Meitu」で実験してみた)。
AIイラストメーカーは、人物のイラストを美麗に変換してくれることが分かった。漫画ならどうだろうか?
筆者はかつて、一度だけ漫画を描いたことがある。友人とともに出した『焼き肉焼き鳥恋物語』という同人誌の漫画(関連記事同人誌作りは甘くない 「焼き肉焼き鳥恋物語」ができるまで)。
絵が下手すぎて、自分の中では黒歴史になっている。こんな漫画だ。
それが、こうなった。
人物の顔が美麗になり、表情のニュアンスも深くなった。はみ出しているコマの線もきれいに修正されている。
ただ、同じ人物を別人のように描いてしまっているし、1コマ目にある、野菜のサンチュをモチーフにしたオブジェ「サンチュ像」は、人物にうしろ頭に“誤変換”されている。3コマ目の人物は消えてしまった。元の絵にはない、雪が降っているような描写も加わっている。
それでも、多少手直ししたり、何度か別の出力を試せば、元よりははるかに完成度の高い漫画ができそうだ。
完璧ではないにせよ、1枚絵ではなくコマ割りされた漫画で、コマ線や吹き出しも認識した上で、ここまでの結果が出るとは驚いた。おそらくこのAIは漫画も大量に学習しているのだろう。
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