セブン銀行は2022年4月、データ活用の専門チームDMOを開設した。DMOの調査役を務める西嵜靖子さんは「データサイエンスプログラム進めていく中で、データを日常的に使うには活用しやすい状態に常に整備し、支援するための仕組みが必要という考えに至った」と経緯を話す。
DMOの役割は、社内のデータを活用しやすいように整備、支援していくこと。社内データのクレンジング作業や、新サービスの開発プロセスにおけるデータ要件定義の組み込み、データやAI倫理などの整備などの役割の他、データ活用に関する社内コミュニティーの運営などを行っている。
社内コミュニティーでは、データ活用の悩みの相談に乗ったり、各部署の事例を共有しあったりしている。西嵜さんは「いざデータ活用を始めようとしたとき、各部署からは『データの前さばきに時間がかかる』『データの意味が理解できない』など、悩みを抱える人が増えていった。だからDMOではデータ活用の相談窓口を始めることにした」と話す。
コミュニティー活動を続ける中で、データ分析でつまずきやすいポイントや各部門がデータ活用で実現したいことなどが把握できた。データサイエンスプログラムと併せることで、さらに円滑にデータ活用を社内へ浸透させることに成功したという。
「データ活用を社内で浸透させるには、教育でリテラシーを高めていくこと以外にも、活用しやすい場づくりが必要。どちらが欠けても難しいと思う。自社が成し遂げたい目的に対して、しっかり環境を構築していければ、いつの間にか仕事の中でデータ活用を実践できているのではないか」(西嵜さん)
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