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日よけに“値崩れソーラーパネル”はいかが? 自宅で「プチ家庭発電」してみた小寺信良のIT大作戦(3/3 ページ)

» 2023年08月31日 17時30分 公開
[小寺信良ITmedia]
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ソーラーパネルを窓に“常設”する

 折り畳み式のソーラーパネルを選んだのは、価格的にこなれているというのもあるが、もっとも大きかったのはサイズである。窓の片面に取り付けるため、窓枠に入るサイズで選んでいったらこれになった、というわけだ。

 元々は屋外で使用するものなので、一応防水防滴加工はされている。ただ電源ポートがポケット内にあり、密閉できないことなどを考えれば、屋外に常設してほっとけるようなものではない。そこで、窓の内側から貼り付けるわけだ。これなら風雨にさらされて破れたり、特性が劣化したりするのも遅らせられるだろう。

東側の窓に貼り付け

 貼り付けに利用したのは、「iHouse all 両面テープ 魔法のテープ 極」という、両面粘着テープである。このテープは強力に接着できるが、粘性が高いため貼り替えもできる。

 「Nekteck 28W」は名前の通り定格28Wだが、USB規格の5Vに変換して出力するため、ロスがある。直射日光が当たるのは朝6時から11時ぐらいの5時間程度だが、日陰になっても日暮れまでは反射光で多少は発電するので、容量1万3400mAhのモバイルバッテリーの半分弱ぐらいは1日で充電できる。

 商品イメージではスマートフォンを直接充電するようになっているが、昼間の活動時期にスマホがケーブルに繋がったままというのは、あり得ないだろう。よって昼間にモバイルバッテリーを充電しておき、夜寝る時にそこからスマートフォンに充電するというわけだ。

 バッテリーからバッテリーへ移すのでロスもあるわけだが、そもそもモバイルバッテリーを使うという時点で、そのロスは織り込み済みのはずである。系統電力から充電すれば、そのロスも勿体ないという気もしないでもないが、ソーラーパネルからの充電はタダなので、あまり勿体ないという感覚もない。

 ちなみに使用中のスマホPixel 6aは容量4410mAhなので、昼間の発電量でだいたいスマホ1台分の電力は賄える事になる。実際にはスマホのバッテリーが空になっているわけでもないので、毎日多少の余剰電力がある。それが積み上がってバッテリーがマンタンになると、別のバッテリーへ付け替えという運用だ。マンタンのバッテリーは、そのまま昼間にスマホなどの充電に利用できる。

 これ、電気代と換算してソーラーパネルの方がお得、という考え方では、元を取るまで何年もかかるという話になる。電気代が高騰しているとはいえ、自家発電にかかるコストよりもまだ系統電力を買った方が安いのである。

 ポイントはそこではなく、せっかく日が当たってるのに暑いだけで全然メリットがない、というところをクリアしたいというところがスタート地点であり、ゴールだ。窓に日よけなどを吊るすぐらいなら、値崩れしてきたソーラーパネルを吊るすというのが、今風なのではないだろうか。

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