Z fで特徴的な点をもう1つ。
それはB&Wモード。シャッタースピードダイヤルの下に写真と動画の切り替えレバーがあるのだが、そこに「B&W」ポジションが追加されたのだ。白黒モードである。
2023年は初頭にライカやペンタックスがモノクロ専用カメラを出し、先日レビューしたパナソニックのG9PROIIはあらたに「LEICAモノクローム」というモノクロモードを搭載し、とモノクロ系が目立つ昨今であるが、Nikon Z fはモノクロ専用ポジションを用意したのだ。
こんなことされたら使っちゃうでしょ。
ここをB&Wポジションにすると、さっとモノクロ写真を撮れるのがいい。
B&W時は使えるピクチャーコントロールがモノクロ系の3つ(モノクローム・フラットモノクローム・ディープトーンモノクローム)に限定される。
ディープトーンモノクロームで撮った中から何枚か。なんてことないカットでもアーティスティックに見えるのはヤバいですな。
では最後にいつものガスタンクを。これは定点ものなのでカラーです。
動画は4K/60fpsまで対応している。が、やはり写真を撮りたい人のカメラだよなということで言及はしない。
APS-CサイズセンサーのZ fcは20代の若い人たちがメインターゲットで(確かに広告もそんな感じだった)、フルサイズセンサーのZ fはもう一世代上がメインターゲットという。
あえてクラシックなスタイルでカメラらしさを前面に出すという趣味性が高いカメラという方向性は実に魅力的で、撮ってて楽しい。フォーカスモードや感度自動制御やドライブモードを専用のレバーやボタンでさっと切り替えたいと思ったのだけど、Z fそういうのをちょこまかといじらず、ダイヤルをカチカチっと回してセッティングしてさっと構えてさっと撮るのが本分のカメラなのだからそれでいいのだ、という気もするくらいだ。
最新技術の恩恵をほどよく受けつつ、あえてメカニカルな操作でじっくりさっと撮る、それが楽しいカメラである。
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