ITmedia NEWS >

たった8色で油彩のような表現も──人気画家YouTuberが監修した「アートクレヨン」の新しさ分かりにくいけれど面白いモノたち(6/6 ページ)

» 2024年01月26日 11時21分 公開
[納富廉邦ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5|6       

「サイズは正直、児童用のパスと同じです。鉛筆みたいに長いと折れやすくなるし、ある程度、従来のオイルパステルやクレヨンの形状の範囲内からはみ出さない方がいいかなというところで、受け入れられやすいようにこのサイズにしました。量としては足りないかもとも思いましたし、四角柱にする案もあったんですが、ぺんてるで作っている四角のタイプの場合、円柱のものより一回り細くて、長さも短いんです。あと、完成させるまでのリードタイムがあまり取れないことや予算的な問題もあって、金型の検討まではできなかったんです。なので、今ある金型から選びました。これ、金型まで作るとなったら、金型作った段階でしめ切りが来るというスケジュールでしたから」

こんな風に手軽に描けるけれど、指で伸ばしたり、混ぜたりを行う画材なので、手元にウェットティッシュなどを用意しておくとよいと思う

 まあ、足りなければ買えば良いし、実際、油絵具と比べたら、油絵的な面白さも出せて、この価格なら高くはないのだ。実は、個人的には、油絵的に、透明色のクレヨンを作って、いわゆる「おつゆ描き」というか、下の色を見せながらの重ね塗りも可能になるのではないかと思っていたのだけど、考えてみれば、クレヨンやパステルの性質上、「乾いた上から塗る」ということができないわけで、透明色を作る意味はないことも分かった。

 それにしても、かなり面白いというか新しい画材であることはよく分かったので、後は、色んなプロの画家に使ってもらいたいと思った。そこから、新しいスタイルが生まれるような気がするのだ。

 また、手軽に着彩の絵を描きたいというとき、水などの用意もなしで、グラデーションやぼかし、重色による厚みまで表現できる画材があるというのは、絵を描くハードルを相当下げてくれる。使ってみるとアイデアが浮かぶような画材なので、まずは一箱、本気で描くなら複数箱、買ってみることをお勧めする。

前のページへ 1|2|3|4|5|6       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.