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“過走行テスラ”の健康状態は? 4年弱で22万km乗った「モデル3」オーナーに聞く走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/3 ページ)

» 2025年09月28日 12時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]
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バッテリーが突然死の怪

 「湾岸長島PAで充電中、突然クルマがシャットダウンし、再起動しなくなりました。スクリーンはブラックアウト状態で完全に走行不能です。結局、JAFに連絡し名古屋のTeslaのサービスセンターまで運んでもらいました」

 原因は、低電圧バッテリーの寿命でした。駆動バッテリーへの急速充電中は、低電圧バッテリーへの電力が遮断されます。遮断された瞬間に寿命を迎えた低電圧バッテリーからメインコンピュータ等への電力供給が途絶え、突然のシャットダウンが起きたわけです。

 通常なら、低電圧バッテリーの寿命が近くなると、スクリーンにアラートが表示されるのですが、なぜか表示されなかったようです。また、「昨年10月の初回車検時、低電圧バッテリーの異常は見られませんでした」とのこと。

 結局、Teslaのサービスセンターで低電圧バッテリーを交換してもらい、帰路につきましたが「JAFやサービスセンターでの待ち時間を含めて5〜6時間を費やしてしまいました。ただ、待ち時間の間、リモート接続で仕事に集中でき、逆に作業がはかどりました」と笑います。ITエンジニアならではの逸話です。

 ちなみに、現行型Model 3の低電圧バッテリーは、鉛からLFP(リン酸鉄リチウム)に変更されています。鉛と比較して長寿命が言われていますが、リアルな実用環境においてどうなのか興味は尽きません。鉛のバッテリーは、耐久性は劣るのかもしれませんが、歴史ある枯れた技術だけにメインテナンスをきちんと実施していれば安心感につながるのは事実です。

 政岡氏によると、上記の鉛バッテリーの事案以外には大きなトラブルは経験していないといいます。ただし「取材時点では」という注釈が付きます。というのは、本稿、脱稿後に政岡氏から「エアコンのコンプレッサーが壊れました!修理にン十万円かかりました!」という残念な知らせが入りました。

 筆者と同時期に生産された個体だけに、エアコンの故障は大いに気になります。修理費にいくらかかったのでしょうか。そのあたりの詳細は、筆者が受けた5年目の法定点検の様子と併せて、次回の本連載でご報告します。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla


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