MDを1Gバイトストレージに ソニー「Hi-MD」規格発表

» 2004年01月08日 13時05分 公開
[ITmedia]

 ソニーは1月8日、MD(ミニディスク)の新規格「Hi-MD」(ハイエムディー)を発表した。現行MDとの再生互換性を確保しつつ、現行MDの録音時間を約10倍に拡張できる。また1Gバイトの専用ディスクも開発、最大45時間の録音が可能な上、PC用リムーバブルデータストレージメディアとしても利用できる。

 現行のMDディスクをHi-MDに初期化し直すことで記録方式を効率化し、約2倍に高密度化できる。80分メディア(177Mバイト)なら、Hi-MDに初期化することで305Mバイトに拡張される。レーザー波長は780ナノメートルと現行MDと同じ。

 またHi-MD専用の1Gバイトディスクも開発した。「Domain Wall Displacement Detection」(DWDD)技術を業界で初めて採用して大容量化している。これはレーザー照射時の温度差を利用してレーザースポットよりも小さい記録マークを一時的に拡大して読み出す技術だ。

 音楽ファイル圧縮形式は「ATRAC3plus」を採用。Hi-MDフォーマットの80分ディスクでビットレート48Kbps時に13時間30分の録音が可能としている。またリニアPCM録音にも対応し、市販CD並みの高音質録音・再生も可能だ。

 ファイルシステムにFATを採用したため、画像やテキストファイルなど、PC用のデータファイルも保存できるようになった。USBマスストレージもサポートし、PCと接続することで自動的に外部ストレージとして認識される。

 著作権保護技術として「OpenMG」と「MagicGate」を採用している。ディスク上のコンテンツには暗号化が施され、また「Serial Copy Management System」(SCMS)にも対応した。

 MDは1992年にソニーが商品化したデジタル音楽記録用ディスク。PCと接続して直接楽曲データをダウンロードできる「Net MD」や、録音再生時間を拡張する「MDLP」規格などが追加され、2003年度末までの累計出荷は対応機器が約8000万台、ディスク約11億枚となる見込み。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  4. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  5. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. パナソニックがスマートTV「VIERA(ビエラ)」のFire OSモデルを6月21日から順次発売 Fire TVシリーズ譲りの操作性を実現 (2024年05月08日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー