NECの「LaVie RX LR700/8E」(以下LR700/8E)は、14.1インチSXGA+液晶とDVDマルチドライブを搭載する2スピンドルノートPCだ。LaVie RXは、今回の春モデルで新しく登場したシリーズで、同社が「ニュースタイルモバイル」と呼ぶ携帯性を重視した製品ジャンルに分類される。LaVie RXシリーズは、同じニュースタイルモバイルに分類されるLaVie MシリーズやLaVie Jシリーズよりも大きくて解像度の高い液晶を搭載しており、携帯性も重要だが、高解像度液晶とCPU性能は譲れないという人にとっては待望の製品であろう。
LaVie RXシリーズは、搭載CPUやHDD容量、光学ドライブなどの違いによって、LR700/8EとLR300/8Dの2モデルが用意されている。今回レビューするLR700/8Eは、Pentium M/1.50GHzと80GバイトHDD、DVDマルチドライブを搭載した上位モデルである。
LaVie RXシリーズのボディは一から新しく設計されたもので、デザイン的にもなかなか斬新である。ボディカラーは、黒とシルバーのツートンカラーを採用しており、シャープな印象を受ける。手の汗が気になりやすいパームレスト部分と液晶カバー部分は、汗をかいてもベタつきにくいプロテイン塗装が施されている。汗かきな筆者は、長時間ノートPCを利用しているとパームレストに付いた汗が気になることがあったが、LaVie RXシリーズではそうしたことがなく、快適に利用できた。
LaVie RXシリーズのキーピッチは、デスクトップ用のキーボードと同等の19ミリで、キーストロークも3ミリと深い。キー配列は標準的でキーピッチも均等なので、デスクトップPCを使っていた人でも違和感なく利用できる。キーボードの剛性感も十分で、中央部を強く押してもたわむようなことはない。
ポインティングデバイスとしては、NXパッドと呼ばれるタッチパッドが採用されている。パッドの操作性は良好で、左右クリックボタンの中央には上下スクロール用のボタンが用意されており、スクロール操作を行うことができる。
LaVie RXシリーズは、ディスプレイにSXGA+表示が可能な低温ポリシリコン液晶を採用していることも特筆に値する。表示解像度は1400×1050ピクセルで、軽量性や省スペース性が要求されるモバイルノートPCでは一般的なXGA液晶(1024×768ピクセル)に比べて、一度に画面に表示できる情報量は約1.87倍にもなる。このため複数のウィンドウを同時に開いて作業する場合でも、快適に使用可能だ。
また、LaVie RXシリーズに搭載されている低温ポリシリコン液晶は、アモルファスシリコンを採用した通常の液晶に比べて開口率が高いため、明るく鮮明な表示が行えるという利点がある。
最近は、液晶の表面に光沢パネルを貼ることで黒の締まりを向上させてコントラストを高めた、いわゆる“ツルピカ液晶”を採用したノートPCが増えてきているが、この種の液晶は外光が映り込みやすいという弱点がある。このため、さまざまな環境下で使われるモバイルノートPCには、ツルピカ液晶ではなくノングレア処理が施された一般的な液晶パネルの方が適している。LaVie RXシリーズに採用されている液晶パネルもノングレアタイプの液晶であり、周囲の環境を問わない、高い視認性を実現している。もちろん、直射日光が当たるような屋外での視認性は落ちるが、これはバックライトを利用する透過型液晶の宿命である。
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