“多機能機”の顔を隠し持つ超高速スナップショットデジカメ――コニカミノルタカメラ DiMAGE G400(1/3 ページ)

» 2004年02月06日 14時55分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

コニカの血を引くコンパクト400万画素3倍ズーム機

 最近のミノルタといえば、手ぶれ補正機能付きのハイエンド機「DiMAGE A1」、屈曲光学系の「DiMAGE Xt」と「同X20」、丸みを帯びたデザインが印象的な「DiMAGE Z1」と、個性的なデジカメばかりを輩出してきたが、2003年秋に発表された400万画素光学3倍ズーム機の「DiMAGE G400」(以下、G400)はそれらとはやや毛色が違う、極めてオーソドックスなコンパクトデジカメだった。

400万画素光学3倍ズームデジカメ「DiMAGE G400」

 毛色が違うのも当たり前。2003年10月にコニカとミノルタが合併して「コニカミノルタカメラ」となったわけだが、G400はコニカ側が開発を進めてきたデジカメなのだ。SDメモリーカードとメモリースティックのデュアルスロットであることや、レンズがヘキサノン(ヘキサノンは旧コニカのレンズブランド)であることからもそれがわかる。

SDメモリーカードとメモリースティック用のデュアルスロットを装備している

 このためメニューなどのユーザーインタフェースや機能の取捨選択のセンスは、それまでのDiMAGEシリーズとはやや異なっている。だが、安心していい。最近のコニカのRevio KDシリーズは鮮やかでキレがある画質に高速な起動と、その筋では非常に評判がよかったのだ。G400もそれを受け継ぎつつ、ユーザーインタフェースや機能を改良して出てきたカメラなのである。

超高速な起動が一番のウリ

 G400を使うとすぐわかるのは、意外に携帯性がよいということだ。厚さ23ミリ、重さ145グラムと聞くとあまり小さくなさそうだが、3倍ズーム機としての携帯性は抜群で、非常にスリムである。

 その速さにも驚かされる。とにかく速いのだ。公称では0.7秒。実測でも1秒以下。レンズが一瞬で飛び出てきたと思ったら、もう液晶モニタが点灯して撮影可能になっているのである。これは素晴らしい。

レンズカバーを開けると、中央部に一瞬でレンズが飛び出てくる。フラッシュの下に見える3個の小さい穴は、2個がパッシブAFセンサー、もう1個は光学ファインダー。レンズには「GT HEXANON」と記されている
レンズはあまり飛び出ず、撮影時でもボディの薄さを感じることができる。上面はレリーズボタンのみといたってシンプルだ

 オートフォーカスもパッシブAFセンサーとの併用で高速化を実現しており、沈胴式レンズのズームデジカメとしては破格の快適さだ。モード切り替えスイッチがなく、レンズカバーを開けると必ず撮影モードで起動するし、再生ボタンを押せばいつでも再生がはじまる。USBケーブルをつなげばUSB接続モードで自動的に起動するのもよい。

 ただし、一つだけ快適さをスポイルする残念な点がある。大きく湾曲したデザインのレンズカバーを開けると撮影モードでスイッチが入る仕組みなのだが、このレンズカバーが開けづらいのだ。

 一応レンズカバーの表面には9個の突起があるが、金属なので滑りやすく、かなりしっかり持つ必要がある。デザイン上の問題もあろうが、せっかくの超高速起動なのだから、指が滑らないような材質にするか、指が引っかかりやすい形状にしてほしかった。

レンズカバーを閉めた状態。曲線を使ったカバーのデザインはユニークだが、指が滑りやすく、片手で開けるのは難しい

 レンズは「GT HEXANON」と書かれた3倍ズームレンズで、レンジは34〜102ミリと非常に使いやすいエリアである。明るさはF2.8〜4.9と、一般的なコンパクトズームデジカメと同等だ。

 CCDは400万画素の原色フィルタで1/2.7インチサイズ。基本感度はISO50からとやや低いが、コントラストやエッジ強調はキツすぎず、なかなかキレのある描写を見せてくれる。コクよりキレという感じで、このクラスではかなりハイレベルの絵作りだ。

 マクロ機能は広角側で5センチ、望遠端にしてさらにマクロボタンを押すと20センチまで近寄れるスーパーマクロも使える。日常的な使用で困ることはないだろう。

 なお、測光は中央重点測光のみ(スポット測光もない)で、オートフォーカスも被写体が中央にないと後ろにピントが抜けやすい。とりあえず被写体を中央に置き、AE/AFロックをしてから元の構図に戻して撮るのがお勧めだ。そこはちょっと残念である。

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