DTP・印刷はどのように変容するべきか? PAGE2004に見る

» 2004年02月12日 18時41分 公開
[大出裕之,ITmedia]

DTP・印刷ビジネスはいかに変容するべきか?

 昨今の日本全体の不況を反映し、ここのところ市場がシュリンクを続けているDTP・印刷の業界だが、誰もが実践でき、そして効果が現れる解決策の不在は、恐らく業界の人々であれば肌身で感じていることではないだろうか。

 IT化といっても誰もが急に提案営業をできるようになるわけではないし、受注体制を構築できるわけではない。急に業態を変更して異業種進出といっても然りだ。今の時代は、恐ろしいほどの選択と淘汰による競争の時代を迎えていると言っても過言ではない。

 そんな中、PAGE2004をざっと回ってみたが、ICタグや電子出版など可能性はあるがその時期がいつ来るかがわからない未来への芽は、多少はあったように思う。だが、これは即効性のあるカンフル剤ではありえないし、膨大な投資を必要とするかもしれない。

 すぐにでも飛びつけるようなカンフル剤の欠如が、この倦怠を生んでいるのは明らかだ。

 ここ数年語られる次世代のビジネス、そしてツール・ソリューションについては、推進するベンダーが意欲的だったこともあり、来場者も多く盛況ではあった。ビジネスの効率化と変容への模範解答は、多くの読者が自覚しているように、すでに既知のことなのである。

 問題なのは、ゆっくりと考える時間が与えられていない点にある。売り上げの減少、だ。

 デジタル化の流れによって、市場の分業体制は揺らいでいる。恐らく、分業体制の再定義を各社が行うしか、ビジネス再定義の道は残されていない。版元、プロダクション、製版、印刷、Webサイト、代理店、などではなく、今の業態からしてなにを自分でやったほうがいいか、なにをアウトソーシングしたほうがいいか、冷静に考えることが必要ではないだろうか。

 業務の柔軟性を保持するために必要なことは何か? それはテクノロジーとノウハウだと思いたい。新分野で必要とされるテクノロジーを理解でき、利用するノウハウがあればこそ、ソフトランディングすることが可能となるだろうからだ。ノウハウは最終的に人に拠るところが大きいとしても、ツール・ソリューションについては、現在、それなりにこなれてきた印象を受ける。

Mac OS X、OpenType、そしてInDesign

 次世代DTPソリューションを推進する「TNG Project」(アップルコンピュータアドビ システムズ大日本スクリーン製造モリサワの4社合同プロジェクト)は、各社のブースに加えてセミナーコーナーを置き、改めて次世代DTP環境への移行を訴えた。

セミナーは各回とも盛況
セミナーの1コマ
今回PAGE2004にて実施されたセミナーの内容

 実際に次世代DTP環境へ移行した事例などの紹介もあり、状況はより実践的なフェイズに移りつつあるのではないだろうか。ではTNG Project参加各社の様子も紹介する。

アップルコンピュータはブースは構えず、セミナーでのプレゼンテーションを行った
アドビ システムズは実践的に、InDesign CSの体験コーナーを設置
大日本スクリーン製造は、DTP関連としてはRGBワークフローを中心に
モリサワはOpenTypeフォントおよび組版ソフト

QuarkXPress 6、6月までには?

 さて今年のPAGEで忘れてはならないのが、QuarkXPress 6の日本語版がお目見えしたことだろう。出荷時期は2004年の第2四半期予定とのことで、順調に行けば、6月までには出荷が開始される。

 ポイントは、なんといってもMac OS Xにのみ対応する、ということだろう。また機能的には“プロジェクト”概念の導入、レイヤー概念の搭載、表組み機能の搭載、Webレイアウト機能の追加、などQuarkXPress 4から比べた新機能が目白押しとなる。実際にどの程度“使える”機能なのかどうかは、今後明らかになるだろう。

QuarkXPress 6のデモの様子

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月27日 更新
  1. 鳴り物入りで登場した「Copilotキー」が早くもお蔵入りか──チャットボットからAIエージェントへの移行が示すMicrosoftの誤算 (2026年07月27日)
  2. エアコンがない部屋を冷やせる「Dreemstar 冷風扇」がセールで50%オフの9980円に (2026年07月23日)
  3. 64GBメモリ/2TBストレージ/Ryzen AI Max+ 395搭載のハイエンドミニPC「MINISFORUM MS-S1 MAX」がタイムセールで27%オフの43万2799円に (2026年07月25日)
  4. NVIDIAが次世代AI超解像技術「DLSS 5」の今秋投入を明らかに/MicrosoftとMistralが欧州におけるAI演算能力の拡大で戦略的提携を発表 (2026年07月26日)
  5. 高価なグラフィックスカードを守る「過熱保護ケーブル」に注目! 夏を乗り切るNoctua製簡易水冷も販路拡大で続々入荷 (2026年07月25日)
  6. プラネックス、10GbE接続に対応した5ポート搭載アンマネージドスイッチ (2026年07月24日)
  7. 実売2万円切りで実働10日間のバッテリー駆動! 「Amazfit Bip Max」は初めてのスマートウォッチに最適か (2026年07月24日)
  8. 東レの最新カーボン技術で約999gと長時間バッテリーを両立させた“法人向けLAVIE”が登場 ブランド統一の背景とは (2026年07月23日)
  9. 背中に「インテル、付いてる」ロボットも登場! 40年の実績を持つロボティクス分野で攻勢をかけるワケ (2026年07月24日)
  10. Arm版Windows 11は“普通”に使えるのか? 「FMV UQ-L1」で試して分かった快適さと“鬼門” (2026年07月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー