デジタルアニメ最前線における外付けHDDの重要性〜GONZOの場合(2/3 ページ)

» 2004年02月14日 00時05分 公開
[チバヒデトシ,ITmedia]

「コンパクトにまとめた場合、TVシリーズの一話分が、20〜30分程度で30Gバイトぐらいですね。編集で使うQuickTimeのデータなども含めると50〜60Gバイトぐらいといったところでしょうね」(林氏)。

 思ったより少ないのですね。

「これは本当にコンパクトにして、という数字です。3Dが多用された『LASTEXILE』などですと、100Gバイトを平気で越えると思います。今後、制作を予定しているHD作品では、単純計算で5倍程度になるのではないかと思います。通常のスケジュールで進行していても三話分は重なってしまいますし、時には二話連続放映などということもあり、平行して作業を行うことはめずらしくないのです。ですので、常にそのぐらいの容量は必要になる、ということですね。現在、テレビが3ライン走っていて、それが春番と秋番が重なったりすると6本走っていることになるので、そうなると本当に大変ですね」(林氏)。

ゴンゾ・ディジメーション デジタル部・2DVFXチーフの林コージロー氏

 それだけのデータ容量を扱うとなるといろいろと大変な面があると思いますが、データのバックアップはどのようにされているのでしょうか?

「基本的にはサーバの容量が圧迫された時にテープドライブでバックアップをとっています。データテープ自体は入って35Gバイトぐらいなので、テープの出し入れを繰り返さなければならない。最近では、DVDを発売する際にテレビ放映時の内容をよくするために手直しをしたりすることがあるのですが、そういう場合は、一度テープに入れたものをまた出す必要があります。また、AITデータテープにバックアップをとるにしても、一時的にデータを逃がす場所があると作業がしやすいですね。これには容量の大きなHDDの方が扱いやすいです」(林氏)。

バックアップにデータの移動に役に立ったMaxtor製外付けドライブ

 テープ自体は保管能力に優れていたとしても、大容量のデータを気軽に動かすのには向いていませんね。ところで、実際にMaxtorの大容量外付けHDDをお使いになっていると聞いていますが。

「はい。Personal Stroge 5000XTという250Gバイトの容量のものを使っています」(吉岡氏)。

 どのような使い方をされたのでしょう? やはりバックアップの待避先でしょうか?

「LAST EXILEの撮影監督はデータの待避に使っていました。僕の方はデジタルハリウッドさんでのイベントがありまして、そこで紹介するためのプロモーションビデオを制作したんです。その過程で使わせてもらいました。まず、デジタルビデオカメラで撮った社内の作業風景の映像をPersonal Storageにキャプチャしました。それをまるごと別の担当者のところに持っていってカット単位で効果をかけたものを僕のところに持ってきて、自分で制作したオープニングとエンディングのカットを編集してDVに書き戻しました」(吉岡氏)。

ゴンゾ・ディジメーション デジタル部VFXの吉岡宏夫氏

 どのような点が優れていると思われましたか?

「まず、早かったですね。それとFirewireとUSB 2.0の両方が装備してあるのがよかったです。僕のマシンにはFirewireでつないで使用しましたが、カットを編集した方にはUSBしかついていなかったのでこれは便利でした。ネットワーク越しだと非常に時間がかかってしまうので、機動性がいいのは助かりました。他にMac環境で仕事をしているスタッフもいますので、FirewireとUSB 2.0の両方が使えるのはいいですね。やはり、大容量なのがよかったです。中でも外注さんから評判がよく、導入したい、という話もありました」(吉岡氏)。

テープと比較したアドバンテージは大きい

 データのやり取りが楽になりますよね。

「制作部の方では外注に出すことが多く、今でも相当数の外付けHDDがあるのでそちらではニーズが高いでしょうね。基本的にはテープで保存することになるのですが、CGの制作作業中で使うという面では大容量のHDDの方が作業効率をよくしてくれると思います。テープから出す場所として使える、ということもありますし。いったんテープに保管してしまった作品のこういうカットの表現がほしい、などの要求が時々あるのですが、これを探すのが大変なので結局、新規で作っています。これをHDDに置き換えればさっと取り出せるので時間効率も良いなと思います」(林氏)。

 HDで作成すると、1話分のデータ量がかなりのものになるということですが、今回試用されたMaxtorのPersonal Storageくらいの容量になりますね。

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