カノープスが放つ普及版キャプチャカードの実力は?――MTVX2004(2/2 ページ)

» 2004年03月12日 17時55分 公開
[小林哲雄,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 録画以外の添付ソフトとして簡易編集ソフト「MpegCraft LE」がある。これはフレーム/GOP単位でのカット編集を可能とし、再圧縮を伴わないため画質劣化がなく高速処理ができるのが特徴だ。

 特にハイビットでIフレーム録画を行えば編集マスターとして不必要な部分を除いたものが得られるのが魅力だろう。ただし、15Mbps以上のMPEG2ファイルには適応できないので、この点だけは気をつける必要があるだろう。

GOPごとのカットで再エンコードなしにカット編集が可能なMpegCraft LEも添付される。CMをカットしたり、ドラマ本編のみの総集編を作るといった加工が簡単にできる

最小限の追加時間で別フォーマットへのエンコード

 今回、MTVX2004の発表と同時に、ソフトウェアとアクセサリの追加パッケージが販売された。現在ラインナップされているのは「X pack 2」、「X Pack Plus Kit」、「X Pack plusR Kit」(発売3月下旬予定)、「CRM-1」がある。CRM-1はUSB接続の赤外線レシーバーとリモコンのセットだ。

追加されるパッケージとMTVX2004

 X Pack Plus Kitは、従来製品を含む、ソフトウェアのアップグレードキットだ。MTVX2004の場合、インストールすると「X-TransCoder3」というソフトウェアが追加され、録画した画像をSD-Videoに変換することができるようになる。SD-Videoは、SDメモリカードに転送して、携帯電話やDVカメラで記録した映像を見ることができるMPEG-4ベースのフォーマットだ。

 X Pack 2は、記録ファイル(AVI、MPEG1/2、WMV)をより圧縮率の高いDivXやWMV9に変換するX-TransCoderのキットだ。どちらのフォーマットもMPEG2よりも圧縮率が高く、画質劣化の少ないエンコーダーだ。

 それに加えて、より高画質なDivXの2passエンコードにも対応しており、手間をかけずに圧縮することができるのが魅力となっている(DivXPro 5.1.1のインストールパッケージとライセンスコードが付属)。これらのソフトウェアを必要に応じて導入すれば、MTV2004の魅力をより引き出すことができるだろう。

X Pack Plus kitをインストールすることで追加される「X-TransCoder3」。単独ではDivXやWMVへのコンバーターとして使用できる。追加パッケージによって変換可能なフォーマットが異なり、X Pack PlusはSD-Videoへの変換が可能だ

 X-TransCoderを使うメリットはふたつある。一つは複数のファイルを随時変換対象に加えることができることで、変換作業を行いながら別のファイルを選択、オプション指定できるのは楽だろう。

 もう一つはFEATHERとの連携機能で、ハードウェア圧縮記録を使用している場合はMPEG2への記録と平行してエンコードが可能な、バックグラウンド・トランスコードが利用できることだ。

 この場合は、本来録画が終了してから開始する変換作業を録画と平行して行えるので、変換終了待ち時間を最小限に抑えることができる。圧縮にはより高画質が狙える2pass圧縮も設定可能でこのような時間のかかる作業を少しでも短時間で終わらせるにはよい。

 なお、X Pack 2は製品としてはやや古いので、インストールはX Pack Plus Kitをインストールし、X Pack 2はそのアップグレードインストールの形で組み込むほうがよい。これで新規アプリケーションとしてX-TransCoderがインストールされる。

 MTVX2004は、カノープス製品は性能が高くても価格も高い、と諦めていたユーザーへ強力に訴えかけるハイコストパフォーマンス製品だ。特に操作レスポンスの高さは特筆ものだろう。追加パッケージで機能追加も行えるのもよい。TVチューナー付きビデオキャプチャカードの一押し商品であることは間違いないだろう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月11日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  3. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  4. Minisforum、Intel N100を搭載したスティック型ミニPC「Minisforum S100」の国内販売を開始 (2024年05月10日)
  5. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. ASRock、容量約2Lの小型ボディーを採用したSocket AM5対応ミニベアボーンPCキット (2024年05月10日)
  8. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  9. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  10. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー