一方、最短撮影距離はちょっとややこしいことになっている。
通常撮影の場合、ワイド端から90ミリ相当時までは50センチ、それより望遠側では1メートルまで寄ることができる。もう少し寄りたいと思ってマクロモードにすると、ワイド端から63ミリ相当までは10センチ、63〜90ミリ相当までは30センチまで寄ることができるが、90ミリ〜テレ端まではマクロモードにしても最短撮影距離は変わらない。つまり、テレ側ではマクロ機能は使えないのである。このため、近距離の被写体を撮影する時は、ちょっとしたセッティングの違いでピントが合ったり合わなかったりしがちなのだ。
PowerShot Pro1には、実はメニューの奥にさらにスーパーマクロモードが用意されている。スーパーマクロモードにするとズーム領域が43〜90ミリ相当に狭まるが、3センチまで寄ることが可能になる。だたしスーパーマクロモードにすると、画像サイズが400万画素相当(2272×1704ピクセル)まで落ちてしまう。
画像サイズが落ちるのは残念だが、それでもこのモードを使ってでも寄りたい時はあるわけだし、常に800万画素相当で撮らなければならないわけでもない。スーパーマクロモードはメニューの中ではなく、もっとアクセスしやすいところに用意してほしかった。
実際にどのくらいまで寄れるかを試してみた。参考にしてほしい。
ボディは非常に小振りで、グリップすると小指が余るほど。高さが9センチちょっとしかないのだ。おかげで収納性は高く、800万画素ハイエンド機の中ではもっとも持ち歩きやすいサイズだ。
小さいけれども形状はよく考えられている。グリップは深めでしっかりしている。背面も微妙に湾曲していて親指がちゃんと収まるようにデザインされている。それは立派だ。
ファインダーは、電子ビューファインダー(EVF)と液晶ディスプレイ。EVFは0.44インチで23.5万画素となかなかハイレベルなものだ。液晶ディスプレイは2インチ23.5万画素でフリーアングル型になっていて、ハイアングルやローアングル、縦位置のハイアングル、ローアングルの撮影に重宝する。
電源スイッチは、PowerShot G5と同様に、左に回すと撮影モード、右に回すと再生モードで起動するというもの。撮影モードを設定するモードダイヤルは背面上部に斜めに付いていて、液晶ディスプレイなどを見ながらモードを変えられる。
モードダイヤルには「C1」と「C2」がある。これはカスタム設定用のポジションで、さまざまな機能や各種設定の組み合わせを登録できる。
シャッターボタンはグリップの先端部分にやや斜めに付いていて押しやすい。その手前にはEOS風の電子式コマンドダイヤルがある。このコマンドダイヤルはクリックスイッチ付きだ。
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