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» 2004年04月21日 20時16分 公開

“PC五輪不況”もLet'snoteには無関係?

松下は新型Let'snoteで前年度の5割増しの出荷を見込む。「オリンピック」と「ホットスポット」がカギだという。

[岡田有花,ITmedia]

 松下電器産業は4月21日、モバイルノートPC「Let'snote」シリーズをフルモデルチェンジした(関連記事参照)。最軽量機種「R3」ではバッテリー持続時間を9時間にまで押し上げ、ボーナス商戦に突入する。

photo 軽量A5ノートの新モデル「Let'snote R3」。バッテリー駆動時間はR2から8割アップしながら、重さはR2と同じ990グラム

 2003年度、Let'snoteシリーズの販売台数は目標の20万台をクリアした。最も売れたのは、跳ね上げ式ドライブで話題を集めた「W2」シリーズ。モバイル機ながら14.1インチの大型液晶を搭載した「Y2」も期待通りの売れ行きだったという。

 本年度の出荷目標は前年度比5割増の30万台。個人PC市場が縮小気味の中、強気の販売目標を掲げる背景には「ホットスポット」(無線LANスポット)と「アテネオリンピック」があるという。

“PC五輪不況”もどこ吹く風?

 「Let'snoteユーザーから、『ホットスポットはどこにあるのか』といった問い合わせが多くなっている」(伊藤好生・パナソニックAVCネットワーク社ITプロダクツ事業部長)。新モデルはIEEE 802.11gに対応した新Centrinoチップを搭載。国内の無線LANスポット数の増加がLet'snote販売の追い風になるとの計算だ。

photo インテルもワイヤレスへの注力を続ける。「世界4万の無線LANスポットでCentrino機を使った無線LAN機能を実証実験中。無線LANスポットの数はこれからも増やす」(同席したインテルのエンタープライズ&ネットワークソリューションズ・町田栄作本部長)

 また「オリンピックなどが開催されるイベントイヤーは、コンシュマー向け製品の需要が伸びる傾向がある」(伊藤事業部長)。五輪開催による個人消費の刺激がLet'noteにもプラスに働くと読む。

 だがガートナージャパンの予測によると、五輪開催で個人のIT消費がDVDレコーダーなどデジタル家電に集中し、五輪特需がPCにとってむしろマイナスになる“PC五輪不況”が懸念されている(関連記事参照)。

 TVチューナーの搭載やDVD録画など、AV機能を重視した他社製PCはもろに影響をこうむりそう。だがLet'snoteのコンセプトは「ビジネスモバイル」。“PC五輪不況”の防風地帯に特化することで、消費のカンフル剤としての大イベントの恩恵をダイレクトに受けられる──とそろばんをはじく。

 加えて、PC市場の中でもモバイルノート市場は拡大していることもLet'noteを後押しする。電子情報技術産業協会(JEITA)の調べでは、2キロ以下のノートPC出荷台数は、2001年が111万台、2002年が117万台、2003年(見通し)は129万台と地道に拡大。松下の予測では2004年は145万台にまで成長する見通しだ。

次の新モデルは?

 「松下のPC事業は、軽量で長電池寿命なモバイルノートに特化している。これからもその路線は変えない」(伊藤事業部長)。今後もさらなる軽量化と電池寿命の延長を課題に掲げる。さらに持ち運び時の振動や圧迫などに耐えるよう堅牢性も高める方針で、「堅牢ノートPC『TOUGHBOOK』シリーズで培ってきた技術をLet'snoteに投入することも必要だろう」(伊藤事業部長)。

 また「SDメモリーカードスロットを搭載し、IEEE 1394ポートはつけないという松下のポリシーは今後も守る」(伊藤事業部長)としている。

 次の大きなモデルチェンジについては、「初期モデルが発売された順番どおり、『R』の次は『T』『W』『Y』の順で発表していくことになるだろう」(伊藤事業部長)

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