カラーFAX機能を搭載する低価格複合機――キヤノン PIXUS MP390(3/3 ページ)

» 2004年04月23日 14時42分 公開
[リアクション,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 印刷の画質は、他のPIXUSシリーズと比較すると、発色が薄く感じる。コントラストも低めで、シャドウ側のトーンを持ち上げて中間調からハイライトを重視している印象だ。粒状感はほとんど気にならないレベルだが、上位モデルより印刷解像度が低いため、目を凝らして見ると若干のザラつきは判別できる。

 スキャンの画質は高く、手動の補正はほとんど不要なレベルだ。シャドウとハイライトの微妙な階調がよく表現されており、色の再現性もよい。中間調のトーンを上下させたり、彩度を調整すると、より好みに合った発色でスキャンできるだろう。

 MP390はコストパフォーマンスが高い。フチなし印刷とFAX機能を搭載しつつ、実売で3万円台というのはお買い得だ。ただ、競合他社の最新製品と比較した場合、液晶モニタの有無、プリントエンジンのグレードなどで劣っているように思う。筆者の個人的な希望としては、本体サイズとデザインはMP390、性能と機能はMP740/710という複合機が欲しい。FAX機能や液晶モニタの有無によって、複数のモデルが選べるとさらによいだろう。

印刷サンプル

※サンプルはすべてL板で印刷したものをGT-9800Fでスキャンしています。参考としてご覧ください。

Easy-PhotoPrintを利用して印刷

  • 作例1
「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「自動補正なし/画質優先」で印刷。色ノリが少々甘いが、色調は元画像に近い。明度が高く、コントラストが低めなので、画像によってはシャドウが浮いてしまうことがある
  • 作例2
「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「自動補正あり/画質優先」で印刷。「自動補正なし」と比べてコントラストが高まり、シャドウも引き締まった。色ノリもよくなったが、鮮やかさが若干失われている。どちらがよいかは好みのレベルだろう

Photoshop Elements 2.0を利用して印刷

「プロフェッショナルフォトペーパー」「品位1」「カラーマッチング(Adobe RGB)」で印刷。Easy-PhotoPrintの出力と見比べると派手に感じるものの、元画像の発色にはもっとも近い。コントラストが低めなのは変わらずだが、空の水色、花の赤と黄色で、色ノリと鮮やかさがかなりよくなった

スキャンサンプル

L版サイズの写真をスキャン。原稿の色をかなり忠実に再現してくれる。黒つぶれと白とびに強く、いろいろな素材として高品質な画像だ。ちなみに、筆者はTWAINドライバで中間調のトーンを少し持ち上げて取り込んだ画像が、一番しっくりきた(オリジナル画像はこちら

プリント、スキャン、コピー時間

  • プリント時間
用紙はL判がプロフェッショナルフォトペーパー、はがきがインクジェット官製はがき、A4が普通紙だ。決して速いとは言えないが、日頃から大量に印刷するのでなければ、ストレスは感じないだろう
  • スキャン時間
プレビューは画像表示からキャリッジリターンまでのタイムだ。プレビューがもう少し速いとよかったが、本スキャンは全体的に高速。インタフェースがUSB2.0 Hi-Speedなので、高解像度スキャンでもCCDの動きが止まらない(PCへのデータ転送が間に合っている)
  • A4普通紙コピー時間
コピー原稿は、キヤノン最新の「インクジェットプリンタ総合カタログ」の34ページ目でテストした(MP390の紹介ページ)。上位モデルのMP740/710などと比べると遅いが、これくらいの速度ならまったく気にならない。「A4カラー(フツウ)」が大幅に遅くなるのは、原稿の薄い背景色まで印刷するからだ。「A4カラー(ハヤイ)」、「A4モノクロ(ハヤイ/フツウ)」では、背景の薄い色の部分はほとんど印刷されなかった
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー