カラーFAX機能を搭載する低価格複合機――キヤノン PIXUS MP390(1/3 ページ)

» 2004年04月23日 14時42分 公開
[リアクション,ITmedia]

MP370にFAX機能を追加

 キヤノンのインクジェット複合機「PIXUS MP390」(以下、MP390)は、昨年秋に発売された「PIXUS MP370」(以下、MP370)の上位モデルだ。プリンタ部とスキャナ部のスペックはMP370と同じだが、新たにスーパーG3規格に対応したカラーFAX機能を搭載した。なお、MP370に無線LANインタフェース(IEEE802.11b)を追加した「PIXUS MP375R」も今後発売される予定だ。もちろん、MP370も併売となる。

 本体形状はMP370を踏襲している。インクジェット複合機としてはコンパクトな部類に入り、給排紙トレイは本体に折り畳める。排紙トレイはMP370と同じスマートトレイで、閉じたままで印刷/コピーしても自動的にオープンするため、紙詰まりの心配がない。

MP370にFAX機能が追加された「PIXUS MP390」

 操作ボタン類は上部右側に集中している。雑誌などを開いて原稿台にセットしても、操作ボタンが隠れない。複合機の操作ボタン類は、右側にあるほうが何かと使いやすいものだ。

 ADF(自動原稿送り装置)は持たないが、内蔵メモリによって複数枚の原稿を一括してFAX送信できる。送信原稿をすべて読み取ってメモリに蓄えたあとに、電話をかけて一括送信する。電話帳は最大40件だ。PCからはFAX送信のみ可能で、FAX受信はできない。

 メモリカードスロットには半透明のカバーが付いている。1種類のメディアをセットしていると、異なる種類のメディアが物理的に挿入できないのはよい配慮だ。PCに追加されるリムーバブルドライブは1つで、以前紹介したPIXUS MP740/710のような制限はない。

MP390のメモリカードスロット

 メモリカードの取り出しと交換には、MP390本体の電源オフが必要とマニュアルに明記されているが、電源を切らずに交換してもきちんと認識する。ただし、これは保証外の使い方である点に注意してほしい。また、PCからメモリカードにデータを書き込むには、MP390本体のメニューで「書き込み禁止」を「しない」に設定する必要がある。

 インタフェースはUSB2.0 Hi-Speedなので、PCからの高解像度スキャン(だいたい300dpi以上)や、メモリカードの読み書きが速い。

 MP390の印刷ヘッドは、PIXUS 455iと同等だ。インクはCMYBkの4色で、CMYカラーカートリッジと顔料系Bkカートリッジの2本を使う。ノズル数はCMYカラーが各256ノズル、Bkが320ノズル、合計1088ノズルだ。インクドロップは最小2ピコリットル、最大印刷解像度は4800×1200dpiである。CD/DVDのレーベル印刷には対応していない。

インクはCMYBkの4色で、CMYカラーカートリッジと顔料系Bkカートリッジの2本を使う

 スキャナ部のイメージセンサにはCCDを採用し、光学解像度は1200dpiだ。読み取り階調はRGB各色16ビットの48ビット、出力はRGB各色8ビットの24ビットとなる。デュアルヒンジ機構の「Advanced Z-Lid」により、厚みが約2センチ強までの原稿なら、原稿カバーをフラットな状態で上からホールドできる。

デュアルヒンジ機構の「Advanced Z-Lid」により、厚みが約2センチ強までの原稿なら、原稿カバーをフラットな状態で上からホールドできる

 PCレスのダイレクト印刷は、デジカメ直結規格の「PictBridge」とキヤノン独自の「Bubble Jet Direct」、そしてメモリカードスロットから行える。メモリカードスロットにアダプタなしでセットできるメディアは、コンパクトフラッシュ/マイクロドライブ、スマートメディア、メモリースティック、SDメモリーカード/マルチメディアカードの6種類。xDピクチャーカードやminiSDメモリーカードなどはアダプタが必要だ。また、メモリースティックPROには対応していない。

 メモリカードスロットからのダイレクト印刷には、マークシート方式のフォトナビシートが最適だ。1枚のシートに印刷されるインデックス画像は30枚が上限だが、メモリカード内に31枚以上の画像がある場合でも、複数のシートに分けて印刷される。

 指定できる用紙種類はフォト用紙か普通紙で、用紙サイズはL判/2L判/はがき/A3、レイアウトはフチあり/フチなし、はがき半分/全体だ。印刷枚数の指定は、全画像を1枚ずつ、任意画像を1〜3枚となる。1つの画像を最大3枚まで印刷指定できるのは便利で、他社のマークシート式プリントよりも設定が豊富だ。

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