AV機能を排除し基本機能を追求したA4ノート──東芝 dynabook TX/2515LDSW(1/2 ページ)

» 2004年06月17日 18時40分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

ノートPCとしての基本機能を重視

 東芝のdynabookシリーズに「dynabook TXシリーズ」が加わった。dynabook TXの上位に位置するdynabook EXシリーズは、PCにAV機能を統合することをコンセプトにしたモデルで、TVチューナーや「クイックプレイ」機能、HDDレコーダー、映像の外部入力機能といったAV機能を充実させている。しかし、dynabook TXシリーズのターゲットは、凝ったAV機能などを必要とせず、普通にPCを利用するユーザー。

 dynabook EXシリーズは、東芝におけるPC戦略の新たな方向性を示すモデルだが、dynabook TXシリーズは、従来からあるノートPCとしての機能を重視したモデルと言えるだろう。そこで、まずはノートPCとしての基本的な機能を評価していくことにしよう。

夏モデルで新たに加わったTXシリーズのミドルレンジモデル「dynabook TX/2515LDSW」

Dothanコアの新型Pentium M搭載モデルも用意

 ここで紹介する「dynabook TX/2515LDSW」のCPUは、BaniasコアのPentium M/1.50GHzであるが、上位モデルの「dynabook TX/2517LDSW」ではDothanコアを採用したPentium M 735(動作クロックは1.70GHz)が搭載されている。

 チップセットはIntel 855GMEで、グラフィックスはチップセットに内蔵されている機能を利用する。そのため、ビデオメモリはメインメモリから割り当てるようになっており、標準のメモリ容量256Mバイト(PC2700 DDR SDRAM)では16Mバイトが割り当てられる。ビデオメモリとして最大64Mバイトを割り当てることが可能だ(メインメモリは最大2Gバイトまで搭載可能)。

 Centrinoに対応しているのでIEEE 802.11b/gの無線LANと100BASE-TXのLANに対応する。なお、無線LANのアンテナ部分がダイバーシティタイプになっているため、PCカードタイプの無線LANアダプタよりも感度が20%程度向上していると東芝は説明している。室内を持ち運んで利用することの多いノートPCで、無線LANの受信感度が高いというのは、評価すべきポイントである。

 内蔵の光学ドライブは、二層式を除くすべての記録型DVDメディアに対応するスーパーマルチドライブだ。ドライブのスペックは、DVD-Rの書き込みが最大4倍速、DVD-RWの書き換えが最大2倍速、DVD+Rの書き込みとDVD+RWの書き換えが最大2.4倍速、DVD-RAMの読み書きが2倍速、CD-Rの書き込みは最大16倍速、CD-RWの書き換えが最大8倍速だ。読み出しの速度は、CD-ROMとDVD-ROM共に最大24倍速である。

試用したマシンにインストールされているWindowsXP Home Editionのデバイスマネージャでは、松下電器産業の「MATSHITA DVD-RAM UJ-820S」と表示されていた

15インチXGA対応で380カンデラ/平方メートルの高輝度液晶パネルを採用

 液晶パネルのサイズは15インチ。dynabook EXシリーズと同じ「Clear Super View液晶」を搭載している。このパネルは輝度が380カンデラ/平方メートルと非常に明るいのが特徴だ。DVD-Videoの再生などで威力を発揮してくれるだろう。ただし、このパネルで表示できる最大解像度は1024×768ドット。15インチならば1400×1050ドット表示まで対応してもらいたいところだ。

 グラフィックス性能はIntel 855GMEの内蔵ビデオ機能を利用しているため、2D描画の表示では問題ないが、3D描画の性能に関しては、3Dゲームを存分にプレイするというわけにはいかないだろう。インタフェースは、PCカードスロットがTypeII対応スロットが一つしか用意されていないものの、それ以外にはモデム、VGA、USB 2.0×3、IEEE 1394などを装備している。

背面にLANコネクタなど頻繁に抜き差ししないコネクタを集め、IEEE 1394、PCカードスロット、無線LANオンオフなど、よく使うものは左側面手前に集中配置。dynabook EXで背面にあったVGAコネクタが左側面に来ているのは、ビジネスで使うTXシリーズならでは

 キーボードは、日本語87キーでキーストロークが2.7ミリ、キーピッチが19ミリとなっている。キーサイズが不自然に変わっている部分もなく、入力もスムーズだ。ポインティングデバイスは、スライドパッドタイプで、パッドの操作は違和感ない。同社のノートPCに採用されている「パッドタッチ」機能もサポートされている。

 この機能は、パッドの四隅の一つを長押しすると、専用のメニューが表示され、登録したアプリケーションを起動したり、アクティブなウィンドウを切り替えたりできるもの。また,パッドタイプのポインティングデバイスが苦手なユーザー向けにパールホワイトの光学式マウスも添付されている。

キーボードの上にはプレーヤーコントロールボタンとスピーカーを配置している。ユーザーが登録なアプリケーション起動ボタンなどはなく、シンプルな構成だ
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