EOS Kiss Digitalの予備電池に関する一考察 その1――予備電池の容量について考える(3/3 ページ)

» 2004年06月21日 16時00分 公開
[小林哲雄,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

果たして電池はどれくらい持つのか?

 では、目安としてどのぐらい持つのだろうか。これをデジカメ本体でテストするのは正直ムリがある。なにせBP-511でも公称600枚の撮影ができるうえ、この値はCIPAの標準テスト条件(CIPA DC-002-2003)とは異なる社内テスト条件なので、これを再現することも厳しい(ちなみにCIPA条件でないのは、Kiss D発表当時、まだ規格が制定されていなかったためだそうだ)。

 ということで、定電流放電テストで確認することにした。使ったのは秋月電子のニッカド電池放電キット「K-72」(1200円)だ。

 これは、一定電流で放電し設定電圧になったら放電を自動的に停止するという、本来は名称通りニッカド電池のメモリー効果解消を狙ったキットだが、定電流放電テストに使える。

 キットから変更したのは、放電終了電圧をリチウムイオン電池用に調整した程度だ。放電電流は約500mA(実測で481〜2mA)となっている。要するに2時間で1000mAh相当の放電が行われると思えばよいだろう。実際のところ、評価はパラメーター次第ともいえるのだが、定電流放電は電池の生のデータに近いので参考になるだろう。

測定に使用した秋月電子のニッカド電池放電キット。改造込み

 チェックポイントは2つあり、一つは放電完了電圧(5.5ボルト程に設定した)までの時間(t1)、もう一つがKiss Dで使えなくなる電圧、7.20ボルトまでの時間(t2)だ。

 開放電圧で8.40ボルトの電池が、放電に伴い電圧を下げるため「t1>t2」となり、t1は電池そのものの能力だが、t2はKiss Dで使えるであろう能力、つまり真に知りたい実力ということになる。7.20ボルトに設定したのは、放電中の電圧降下を0.10ボルトと見込んでいるためだ(ただし実際にはもう少し大きい)。

 充電はKiss D購入時に付属しているCB-5Lで行い、マニュアル通り「フルチャージランプが点灯してからおおむね一時間」の充電を最低行っている。というか、交互に充電と放電を行っている。

 計測には三和電気計器の「PC20」で行った。別売のケーブル「KB-USB」を使うと、パソコンでデータ取り込みが行えるもので、これに加えて計測ソフト「PC Link Plus」を使うと、マルチ測定も可能という便利なものだ(1チャンネル専用ソフトの「PC Link」も用意されている)。これで放電器の電池接続部分の電位を測定し、毎秒の値を記録している。グラフには示していないが、実際には数回の計測を行っている。

測定に利用した三和電気計器のPC20

 結果はグラフ1、および部分拡大を行ったグラフ2を見てほしい。グラフの末端で電圧が急降下しているのは、設定電圧(大体5.4ボルト。セルあたり2.7ボルト)で放電終了しているためだ。

表■放電終了までの時間(単位:分)

t1 t2
BP-511 128 104
BP-511A 156 131
比率(BP-511A/BP-511) 1.22 1.26
グラフ1■500mA定電流放電時の電圧変動グラフ。赤い枠部分がグラフ2
グラフ2■チェックポイント近辺の拡大グラフ

このようにt1、つまり電池そのもののスペックからすると、テストに使ったBP-511Aは、BP-511に比べて22%増しと、やや物足りないかなというレベルだが、デジカメで使える部分では26%増しと、表記上のスペックそのもの、という割と当たり前の結果が出た。価格的には30%増しなのでコストパフォーマンスは低くなるが、バッテリーグリップを使わないなら、実売価格の安いBP-514という選択肢もある。

 純正大容量バッテリーの効能はやはり存在することが分かったが、一方、充電方法を工夫して、バッテリーをうまく使う方法はないだろうか。次回は効果的な充電方法を考えてみるつもりだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月20日 更新
  1. Windows 11(24H2/25H2)の新「スタートメニュー」で問題発生 追加/削除したアイコンの反映にタイムラグ (2026年04月17日)
  2. アキバは早くもGWモードに! 20万円購入でゲーミングディスプレイをもらえる大盤振る舞いも (2026年04月18日)
  3. Googleの「パーソナル インテリジェンス」が日本でも提供開始/Windows 11の初回セットアップ時にOSアップデートがスキップ可能に (2026年04月19日)
  4. 最新PCサブスクからオンデバイスAI、カラフルなエッジPCまで「情シスの負担を減らす」最前線を見てきた (2026年04月19日)
  5. 複雑な設定不要で高精度な造形ができる3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」が25%オフの2万9999円に (2026年04月17日)
  6. 「DJI Osmo Pocket 4」速攻レビュー Pocket 3から買い換える価値はある? 進化したポイントを実機で比較した (2026年04月16日)
  7. Appleはいかにして「今日のAIやWeb」を予見したのか? “暗黒時代”とも呼ばれた1985〜1996年の光と影 (2026年04月17日)
  8. キングジム、「ポメラ DM250」にクリアパープル筐体採用の特別モデル 500台限定 (2026年04月17日)
  9. IntelがNPU内蔵エントリーCPU「Core シリーズ3」を発表 (2026年04月17日)
  10. Xiaomiの格安タブレット「REDMI Pad 2」シリーズも値上げ 部材高騰で最大1万円増 (2026年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年