ABITロードマップに未発表チップセット「Intel 925XE」搭載マザーが登場

» 2004年06月25日 21時31分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 ABITは、季節に一回プライベートイベントを開催するASUSやGIGA-BYTE、MSIほどではないにしても、パーツショップの店頭でイベントを展開するなど、地道にプロモーションを仕掛けてくるパーツベンダーの一つ。マザーボードやグラフィックスカードがメインだが、マザーボードではユーザーによるトリッキーな設定が可能であることから、オーバークロッカーをはじめとするパワーユーザーに人気がある。

 そのABITが、6月25日にテクノロジーイベント「ATIテクノロジートーク2004」を開催。一般ユーザーにも開放したイベントで、平日の午後にもかかわらず、報道関係者以外にも熱烈な「ABITフリーク」が会場に集まった。

 セミナーでは、ABITのマザーボード、グラフィックスカードの2005年第一四半期までのロードマップの紹介や、オーバークロック機能「Guru」、ノースブリッジクーリングシステムなど、マザーボードに実装しているABIT独自技術の解説が行われた。

「テクノロジートーク」で説明を一手に引き受けていたプロダクトマーケティングスーパーバイザーのジェッシー・チェン氏

 マザーボードロードマップは、Pentium 4とAMDそれぞれのプラットフォームに分けて説明が行われたが、メインは発表されたばかりのPCI Express対応チップセットマザーの出荷予定。とくに注目されるのは、最上位の「Enthusiast」マーケットで2004年第4四半期にABITが投入するゲームユーザー特化型マザー「AA8 Fatallty」に未発表のチップセット「Intel 925XE」が実装されること。

 説明を行ったABITのプロダクトマーケティングスーパーバイザーのジェッシー・チェン氏は、Intel 925XEのスペックとして「Intel 925XEはFSBクロックは1066MHzに対応する」と明言した。

 また、「MainStream」マーケットでは、サードパーティ製のPCI Express対応チップセットとしてVIAのPT890を搭載した「VG7」を「7月末に発表、日本国内では8月に出荷予定」と説明。グラフィックス用バスとしてPCI Express x16とAGP 8Xを混在するだけでなく、CPUソケットにはLGA 775ではなく、従来のmPGA478を実装するなど、ユーザーが手持ちのパーツを流用してPCI Expressに移行できるなど、こちらもマザーボードにも注目が集まりそうだ。

インテル対応ハイエンドマザーロードマップ。注目は右上にあるIntel 925XE搭載マザー
インテル対応バリュークラスマザーのロードマップ。こちらで注目は8月に国内販売開始予定の「VG7」AGP、mPGA478対応と従来パーツが流用できるPCI Expressマザーであるのがミソ

 なお、VG7でPT890と組み合わされるサウスブリッジは、最新の「VT8251」ではなく、従来からある「VT8237」になる予定。チェン氏の説明によると、これは、VIAのスケジューリングが遅れているためで、今年後半から2005年第一四半期にかけて登場するマザーでVT8251と組み合わせる予定のものがいくつかあるが、VIAの出荷状況によって、VT8237に変更される可能性もあると述べている。

 統合型チップセット搭載マザーのロードマップでは、2004年第4四半期からIntel 915G搭載の「IG-80」に加え、「Intel 915GV」「Intel 910GL」搭載マザーやATIの開発コード名「RS400」搭載の「IA-20」などの名前が挙がり、AMDプラットフォームでも、最新のSocket 939対応チップセットK8T890搭載の「AX8」、K8T800 Pro搭載の「AV8」に加えて、2004年第4四半期にはNVIDIAの「CK8-04」を搭載した「AN8」シリーズが登場予定になっている。

インテル対応統合型チップセット搭載マザーのロードマップ。「IA-20」はATIのRS400とSB400の組み合わせ。Intel GMA 900を超える3D性能が期待される

 マザーボードに搭載されたABIT独自技術で注目されたのが、ノースブリッジ用クーラーユニット「OTES Aero Flow」とオーバークロックのために用意された「ABIT uGuru Technology」の説明。OTES Aero Flowでは、クーラーユニットとヒートシンクを従来の「積み上げる」のではなく、「横に並べる」形状を採用して、CPUクーラーから流れる風を有効に誘導して、GPUやサウスブリッジ、メモリモジュールの冷却を行えるようにしている。

従来のチップクーラーユニットを横倒しにして取り付けたような「OTES Aero Flow」。ヒートシンクのフィンで誘導された風は、サウスブリッジやGPU、メモリモジュールを冷却する
ABIT独自のオーバークロックツール「OC Guru」のインタフェース。前もってABITがプリセットした三つの設定モード以外にユーザーの設定モードも登録可能

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