ここまで機能が酷似していると、だいたいどの程度の性能なのか見当がつくのだが、実際にテストしてみた感想としては、写真画質については、X5270の印刷結果よりちょっと劣ると思う。
実際の印刷結果を見ていただくと分かるのだが、全体にハイライトがきつすぎて白く飛んでおり、肌色の質感がほとんどなくなっている。このあたりは、X5270のほうが印刷結果がよい。
また、ドライバのユーザビリティにも難がある。AIOナビ経由で印刷設定を「写真」にしても最高画質にならないようで、プリンタドライバの設定を変更して「4800dpi」にして、Photoshopなどのアプリケーションから印刷しないと、最高画質では出力できないようだ。
しかし、1万3800円の複合機に、写真画質を求めるのは酷というものだ。実際のところ、普通紙へのコピーや、Webサイトの画面を印刷するといった作業では、さほど印刷結果に不満はない。印刷速度もそれなりに速く、さすがに「高速」でコピーしたものはかすれがひどく実用的ではないが、「標準」での印刷ならば十分に資料としても利用できる。
ただし、ランニングコストは若干高めだ。先ほどのサンプル画像をL版で印刷してみたが、100枚程度でインクがなくなってしまった。カラーとフォトのインクはそれぞれ2480円、2280円なので、1枚あたり約47円くらいかかる計算になる。フォトインクは用意されていないのだが、頻繁に印刷する場合には、ブラックとカラーに用意されている大容量カートリッジを選んだほうがよいだろう。
印刷時間の比較
印刷 | |
AIOナビ経由「写真」 | 1分58秒 |
Photoshop経由「4800dpi」 | 3分35秒 |
A4コピー | |
標準 | 1分19秒 |
高品質 | 2分33秒 |
高速 | 17秒 |
スキャン | |
プレビュー | 8秒 |
150dpi | 11秒 |
300dpi | 43秒 |
スキャン結果については、X5270とそれほど変わらない。デル922のパンフレットをスキャニングしてみたが、カラーで印刷されている文字については、輪郭で若干偽色が発生しているほか、今ひとつシャープさに欠ける。
デル922は価格帯から言っても、いわゆる「最高写真画質」を求めるプリンタではないが、Webサイトの情報を資料として普通紙に印刷する程度ならば十分に利用できるプリンタだ。デルマシンのユーザーであれば、サポートも同じ担当者から受けられるとデルは述べているので、初心者にとっては安心だろう。
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