プリント市場はハードは横ばい、カラーサプライ市場が拡大へ

» 2004年07月02日 01時56分 公開
[ITmedia]

 富士キメラ総研は、デジタルプリンティングビジネスをハード・サービス・サプライの各市場から調査した「2004 デジタルプリンティングビジネス調査要覧」をまとめ、発表した。

 これによると、今回調査対象とした全てのプリンタ市場規模は2003年で合計1兆1730億円となり、その内訳を見るとハード約7848億円、カラーサプライ約3,882億円。3割を占めているカラーサプライ品の比率は2010年には5割近くに拡大するとみられ、2010年には、ハード約8285億円(2003年比106%)、カラーサプライ約7556億円(2003年比195%)の市場規模、ハード/カラーサプライを合計した市場規模は、約1兆5841億円となると予測している。

グラh

 ハード市場は横ばいで推移していくとみられ、その理由として市場で大きな位置を占めるインクジェットプリンタやレーザープリンタの成長鈍化および低価格化の進行を挙げている。PC周辺機器としての需要はすでに一巡しており、インクジェットプリンタにおいてはフォトプリントの訴求が、レーザープリンタにおいてはカラー化の推移による新規需要の創出が進む。また家庭用のプリンタは、単機能プリンタから複合機へのシフトが進み、メーカー側も商品ラインアップを強化、2010年までには、当該市場の約5割を占めると予測している。

 カラーサプライ市場は、各種プリンタの稼働台数の増加により拡大していくとみられ、コンシューマ市場におけるデジタルフォトプリントの需要の大幅な増加、法人市場でのオフィス向けプリンタのカラー化進行が、市場の底上げにつながると予測。プリンタメーカーはハードを低価格で提供し、利益率の高いカラーサプライ品を継続的な収益源とするビジネスモデルを採用していくとみる。

 デジタルカメラおよびカメラ付携帯電話で撮影した写真のプリント需要は、ホームプリント/モバイルプリント、フルデジタルミニラボ機によるデジタルミニラボ、セルフプリント端末(店頭・街頭でのセルフ型プリント端末)など、いずれも市場としてかなりの拡大が見込まれる。デジタルミニラボ導入店は、現在全国約9000店に増加、カラーDP需要が減退するなか、ネット受注や画像処理といったサービスに注目が集まっている。

 今後、法人市場におけるオフィスカラー出力、コンシューマ市場におけるデジタルフォトプリント、それぞれの需要の伸びが「デジタルプリンティングビジネス」市場が拡大する上で重要なポイントになっていくとみられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー