バッファローはPCastシリーズとして数多くのキャプチャーカードをリリースしているが、そのラインアップの最上位機種に位置付けられているのが「PC-MV5DX/PCI」だ。ゴーストリデューサに3次元Y/C分離回路、TBCなどの高画質化機能を搭載したハードウェアエンコードモデルである。
競合製品の多くが、ConnexantやPhilips製のエンコードチップを搭載しているのに対し、PC-MV5DX/PCIはNEC製のμPD61051を搭載している。
このエンコーダチップは、NECのキャプチャーカード「SmartVision HG2/R」にも採用されているもので、画質の良さとCPU負荷の低さで定評がある。ゴーストリデューサや3次元Y/C分離回路もμPD64031A、μPD64083とNEC製チップでまとめている。
ただし、この連載で紹介したカノープスの「MTVX2004HF」とは異なり、3DY/C分離と3DNRは併用できず、それぞれ排他利用となる。
一般的なキャプチャーカードの場合、録画フォルダはひとつに決められており、カテゴリーで分類するには、録画されたあとから手作業で行う必要がある。
PC-MV5DX/PCIのコントロールソフト「PCast TV」では、予約録画したファイルは、あらかじめフォルダを指定することが可能で、ファイル整理が簡単にできるようになっている。初期状態で6ジャンルのフォルダが作成されており、ユーザーも自由にフォルダの追加ができる。
大量の録画ファイルによってHDDの空き容量が不足して、新たに録画できるエリアが少なくなった場合に、自動的にファイルを削除して容量を確保してくれる機能も搭載している。
レスポンスの良さもPCast TVの大きな魅力である。録画やチャネル切り替えなど、ボタンを押してからの反応が早く、ストレスを感じることがない。家電感覚で操作ができるように、反応速度を重視した設計となっているようだ。
ただし、多くの競合製品で用意されているリモコンが、オプションとしても用意されていないは、「家電的操作感覚」を重視した製品としては残念。PCをTV代わりに使う人にとって、リモコンの有無は使い勝手に大きく影響してくるはずだ。
PCast TVには、このほかにも使い勝手を向上させる機能がいくつか用意されている。上級者に好評なのが、CODECを自由に選んで録画できる「ソフトウェアエンコードモード」のサポートだ。
これは、エルザ「EX-VISION 1500TV」のように、PCにインストールされているCODECをPCast TVから自由に選ぶことができるもの。ソフトウェアエンコードを選択した場合でも、予約録画ではハードウェアエンコードと同様にiEPGが利用できる。
また、予約録画したファイルを自動的に別のフォーマットへ変換する「ファイル自動変換機能」もサポートしている。録画ファイルをPC以外のデバイスで利用する場合や、保存用に高圧縮ファイルに変換したい場合など、アイデア次第で幅広く活用できる。
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