マニュアル操作に強いハイエンドコンパクト――FinePix F810(2/4 ページ)

» 2004年08月16日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

Finepix F810は高級コンパクトデジカメの王道

 ではFinePix F810の話だ。

 FinePix F810は高級コンパクトデジカメの王道を行っていると思う。特に小さいというわけではないが、スリムで高級感のあるスタイル。横長ボディの中央にレンズがあって非常に見た目のバランスもいいし、マニュアル系の機能も非常に揃っていて、絞り優先AEやマニュアル露出もできればシーンモードも持っている。

 また円柱形のジョグダイヤルは非常に感触がよく、値の調整も簡単にでき、プログラムAE時はプログラムシフトにも使える便利さだ。その上起動も2秒以下と非常に速くて使っていて気持ちいい。抑えるところをきちんと抑えて、なおかつモノとして非常にまとまった製品なのだ。

 そのボディ中央にあるレンズは32.5ミリ相当からの4倍ズーム。ややワイド側から始まるが、テレ側は130ミリ相当と十分な望遠になっている。一般的な3倍ズームのワイド側とテレ側の両方を少しずつ伸ばしたと思えばよい。

レンズは2段沈胴式だが伸び縮みは高速で、結構長く飛び出てくる

 明るさはF2.8-5.6。テレ側で5.6というのはやや惜しいが、4倍ズームでコンパクトに納めた分、しょうがなかったのだろう。

 撮影最短距離は約60センチから。これはちょっと長いと思う。マクロモードだと約7.5センチまで寄れるが、マクロ時はレンズがワイド端に固定されてしまうからだ。ここは残念。ズーム全域で30センチくらいまで近寄れてほしかった。

レンズは中央にある、スリムな外観に似合ったいいバランスを保っている。レンズの脇にある「C-AF」ボタンはAFやMF時に力を発揮する。レンズ上部にはAF補助光があり、暗いところでは緑色に光る

 CCDはスーパーCCDハニカムIV HRで有効画素数が630万画素、出力画素数は1200万画素相当にもなる。画像サイズでいえば「4048×3040」ピクセル。画質をFINEにすると4MBを越えてしまう。これはすごい。

 ただ、そんなに高解像度じゃなくてもいいなら6Mモード(600万画素相当モード)の方を勧めたい。こちらでも一般的な利用には十分な解像度の上に、ファイルサイズも半分以下に抑えられるからだ。

 ISO感度は80から400。さらに記録画素数が3M相当に落ちるが、ISO800も用意されている。ISO80からのスタートとはいえ、ISO400時のノイズも、一般的な同等サイズのCCDに比べると少なく、実用性は高い。同等クラスの「マニュアル系高級コンパクトデジカメ」に比べて高感度撮影に強いのは確かだ。室内や夜の撮影が多い人にはなんともありがたい。

 撮影機能はマニュアル系高機能コンパクトに相応しいもの。

 撮影モードはP/A/S/Mのマニュアル系モードが4つと、フルオートと4つのシーンモード。これは上部のダイヤルで切り替えるのだが、マニュアル系モード時はISO感度オートが使えないのが残念。Fボタンで呼び出す「FinePixメニュー」で感度を手動で変える必要があるのだ。

上部には横長のシャッターボタンとモードダイヤルが。電源スイッチは撮影・再生切替スイッチも兼ねており、メカニカル式なので明示的にスイッチが入る
液晶モニタ右上にあるFボタンを押すと出てくるPhoto modeメニュー。ここで画像サイズとISO感度とカラーモードの3つをセットできる

 FinePixメニューからはISO感度のほか、画像サイズやカラーモードを変更できる。カラーモードはモノクロと、F-クローム(ポジフィルム風の派手な色彩)とF-ノーマルから選ぶことができる。

 さらにMENUからはホワイトバランス、フォーカスモード、シャープネス、発光量調整が行えるほか、独立したボタンで測光モードや連写機能、露出補正を行うことが可能だ。ホワイトバランスは豊富なプリセットのほか、カスタムホワイトバランスの設定にも対応している。

ワイド液晶とワイドモード

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