ノートPCを裏番組録画用マシンに――バッファロー「PC-SMP2E/CB」を試すキャプチャーカード(2/2 ページ)

» 2004年08月17日 08時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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 PC-SMP2E/CBのもう一つの特徴となる「Active Color Control」機能を使ってみよう。Active Color Control機能は、映像情報をリアルタイムに最適化し、彩度の高い映像を再現するというものだ。Active Color Controlや、そのほか高画質化メニューの種類と効果は以下の通りとなる。

高画質化/映像処理メニュー設定効果
インタレース解除なしインタレースを解除しない。画像はシャープだが、コーミングノイズが出やすくなる
メディアンノイズ除去を行う。映像がスムーズになるが、ややシャープさは損なう
ボブインタレース画像を単純和することにより、「メディアン」設定よりシャープな映像となる
映像処理無しフィルタを使用しない
スムージング(空間)空間的にスムージングフィルタをかける
スムージング(時間)時間的にスムージングフィルタをかける
ActiveColorControl(全体)ActiveColorControl機能により、自動色調整を行う
ActiveColorControl(半分)効果判別のため、画面の右側のみActiveColorControlを有効にする
CPU処理速度オート数値が高いほど高画質となる。通常は「オート」が推奨されている
0バッファローによる推奨値:Pentium III/600M〜1GHz
1同:Pentium 4/2GHz未満
2
3同:Pentium 4/2GHz以上
4それ以上
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photo ActiveColorControl無効(左)、有効(右)の画質比較
photo 「普通」および「最高画質」とビットレートなど基本設定を揃え、高画質化機能のインタレース解除:ボブ、映像処理:ActiveColorControl(全体)を有効にした場合のCPU稼働率。「普通+ActiveColorControl有効」(左)、「最高画質+ActiveColorControl有効」(右)

 ActiveColorControlを有効にすることで、CPU稼働率は10〜15%ほど上昇するが、グラウンドや肌の色などが鮮やかに見えるようになった。PCのディスプレイで録画データを視聴する場合には、とくに有効にしておきたい機能だ。

 WMV形式でのリアルタイム録画は、デフォルト設定となるWMV8、640×480ドット、1Mbpsの「高品質」モードにおけるリアルタイム録画も問題なくこなした。DivX 5.2コーデックを使用した録画もCPU稼働率はほぼ100%となってしまうが、エラーは出なかった。

photo WMV8、640×480ドット、1Mbps設定時のWMV録画時(左)、320×240ドット、780KbpsでのDivX 5.2コーデック使用時のCPU稼働率(右)

 ちなみに外部コーデックを使用する録画は、メーカーの動作保障の範囲外のため、デフォルトでは選択できないようになっている。

photo 「AVI/Windows Mediaの機能を使用する」にチェックを入れると表示されるコーションウインドウ

 試用環境によるものとは思うが、筆者環境ではWMV9コーデックを使用する録画時にエラーが表示されてしまった。

photo WMV9を使用する設定にしたところ、エラーメッセージが表示されてしまった

 PCastTV Ver1.4 HomeNet Editionは、アイ・オー・データ機器製品の「mAgicTV」、インフォシティ「INFO TV Plus」などに搭載される専用番組表閲覧・録画ツール、およびキーワード指定による自動録画設定ができる「おまかせ録画」のような機能はなく、iEPG対応TV番組表サイトにて番組予約を行う。

photo iEPG設定メニュー。テレビ王国、インターネットTVガイド、ON TV JAPANがデフォルトで用意され、そのほかのサイトは、直接URLを記入することもできる。

 このiEPG録画指定時の便利な機能として、「録画後に自動圧縮を行う」機能がある。

 前述の通りPC-SMP2E/CBは、MPEG-2以外に、WMV、DivXなど外部コーデックによるリアルタイム録画も行える。ただし試用した環境では、非力なCPUや遅いHDDなどの影響もあり、コマ落ちが発生してしまうこともあった。もちろん解像度やビットレートを低くすれば大丈夫だが、録画後のエンコードであれば、その心配や妥協も少なくできることだろう。

photo 録画後エンコード設定画面。録画後に任意の場所に保存する指定も行える

 その応用として、例えばMPEG-2録画はまず本体に、録画後自動的にWMVにエンコードし、LAN内のNASや家庭内映像配信用サーバPCのHDDに保存するといったこともできそうだ。

LAN内共有機能は録画データではなく、番組予約のために活用する

 LAN内での録画データ共有機能は、PCastTVスケジューラから「ビデオサーバー機能を使用する」にチェックを入れ、クライアントソフト「PCastTV Client Tool」を別のPCにインストールすることで利用できる。

photo Webサーバとして80ポートを公開(左)、LAN内別PCのPCastTV Client Toolよりサーバを検索する(右)

 デフォルト設定では80ポートを公開し、HTTP Webサーバを立ち上げる仕組みとなる。ただし、ファイアウォールの設定が必要なのは当然ながら、PC-SMP2E/CBで録画した番組は、あたかも普通のWebで動画ファイルを公開し、クライアント側ではそれをダウンロードするように再生することになるため、それほど使い勝手がよいとはいえない。

photo 別PCから見る場合、WMV形式ファイルはダウンロード中から再生できるが、MPEGファイルはダウンロードしてから視聴する方法となるので、待ち時間はおろか、クライアントPC側のHDD容量も圧迫してしまう

 というわけで、PC-SMP2E/CB搭載のノートPCを“W録”のために活用できそうなのは、別PCから録画予約ができる機能だ。PCastTV Client Toolから開くブラウザ画面で、手動予約、iEPGサイト経由双方で設定できる。

photo LAN内の別PCからでも、LAN経由でPC-SMP2E/CBを差したPC上での録画予約ができる。ただし、クライアントPCにおけるiEPGファイルへの関連付け属性は、このクライアントソフトのインストールによって変更されてしまう

 ……というわけでややむりやりだが、LAN内での録画データ共有方法を工夫すれば、ノートPCとPC-SMP2E/CBを“W録”のために活用することはできそうである。

 ノートPCをメインとするユーザーはもちろん、セカンド録画用PCとしてノートPCを活用したいというのであれば、8500円程度で購入できる安価さも相まって、選択肢の一つに加えてみてもよさそうだ。

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