今回は、まさにノートPCユーザーにぴったりのPCカード型キャプチャーカード、エスケイネット「MonsterTV Pocket」を試用してみた。
MonsterTV Pocketは、CardBus(用語参照)対応のPCカードタイプ製品で、地上波TV受信とMPEG-2録画、iEPGに対応するキャプチャーカードだ。価格はオープンプライスだが、ITmedia Shoppingでの最安値9500円前後より(2004年7月中旬現在)で購入できる。
またMPEG-2録画以外に、DVD互換ファイル形式での録画や、Windows Media 9形式での録画も行えるなど、多彩な録画モードを備えるのも特徴となっている。
TV視聴・録画ソフトは、TV画面表示とコントロールパネルのみのシンプルな構成で、EPGから取り込んだ番組データ表示機能などはない。
他製品のTV視聴・録画ソフトと比べるとやや物足りない気もするが、チャンネル切り替え速度は非常に高速だ。民生TVと同等レスポンスで、ぱっぱっぱっとチャンネル切り替え操作ができるのは好印象だ。ただ一つ難点を言えば、せっかく高速レスポンスなのに、操作パネルのチャンネルボタンが1〜12ch、そしてS-Videoなど外部入力用のものを搭載していないのは惜しい。
なお、TV視聴時にうれしい機能として、動きの激しい場面に効果を発揮するプログレッシブフィルタ「DScaler」を搭載する。
DScalerは、インタレース映像の奇数フレームのみを補正することで、ジャギーを軽減するもの。例えば円形のものが高速に移動する場面、柵や標識の支柱など縦方向に何かが移っている映像、人間が手を振っている場面などおいて、映像ぶれやジャギーがかなり目立たなくなった。
もう一つ、2本のスピーカーでも立体的なサラウンド効果があるという「立体音響効果」という機能もユニークだ。残念ながら貧弱なThinkPad X40の音響環境では「ちょっとエコーが効いているかなぁ」程度しか体感できなかったが、ノート用小型USBスピーカー(2004年7月7日の記事参照)などを設置して試したのであれば、また違った感じが体感できるのかもしれない。
MonsterTV Pocketには、専用のEPG視聴ユーティリティなどは用意されないが、各種番組表サイトでも標準化されてきているiEPGに対応する。録画予約は、iEPG対応サイトより直接予約を行う。
最近PC用キャプチャーカード付属TV視聴・録画ソフトでも流行の「おまかせ録画機能」のかわりに、おすすめ番組をピックアップし、メールで送ってくれるサービスなど、iEPGサイトの各種サービスを活用すればよいだろう。
まず設定ツールよりチャンネルプリセットのためのスキャンを行い、そのあとそれに対するiEPGのチャンネル名を登録する。はじめはやや面倒だが、このチャンネル名登録を行わないとiEPGから番組データのダウンロードができない。実はマニュアルをまったく読まずに試用していたため、なぜできないのか30分も悩んでしまった。
iEPGは、TV視聴・録画ソフトインストール時に常駐アプリケーションとして起動する「MonsterTV Pocketスケジュールマネージャ」に、インターネットTVガイド、ONTV JAPAN、infoseekテレビ番組表などが初期登録され、ほかのiEPG対応TV番組表サイトの追加もできる。
なおこのスケジュールマネージャには、S3(スタンバイ)、S4(休止状態・ハイバネーション)いずれかを選択する「スリープモード」が搭載されている。例えば、PCが休止状態となっている場合でも、録画開始時に自動復帰し、録画終了後にまた休止状態に戻す、といったことを設定できるものだ。
試用環境としたThinkPad X40ではもちろんS3/S4双方に対応し、録画開始の5分前にきっちり復帰し、録画終了時にまた休止状態に戻った。
ノートPCユーザーは電源を切る際に、シャットダウンではなく休止状態にすることが多い。基本的に電源を完全オフにする休止状態からの復帰もコントロールできる機能は、PC用キャプチャーカード製品必須の機能といえよう。
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