音の移動に猫も振り向いた――擬似5.1ch対応のノート向けUSBスピーカー「Nita」(1/2 ページ)

» 2004年07月07日 16時07分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 「OZAKIのPCスピーカー」と聞いてピンとくるあなた、結構鋭い。

 あれは98年秋のことだった。単なる小型スピーカーなのに絶対ありえない「120ワット大出力」なんてシールが堂々とパッケージに貼ってあったり、「多媒体の電子頭脳専用 音かびる、まわる、とんてくる 臨場感か凄いタイナミツクサラウント載搭」なんて微妙に分かるのがなぜか悔しい、すばらしき日本語売り文句で、多くのアキバユーザー、海外在住の日本人などの記憶に深く刷り込まれてしまった、あの"伝説の"台湾スピーカーメーカー、OZAKI。

 実はこの伝説のメーカーの製品を、ソリッドアライアンスが代理店となり、国内で販売を開始するという。

 ソリッドアライアンスは最近、ちょっとおバカなネーミング付けに定評(?)のあるイーレッツ(関連記事参照)に負けず劣らずインパクトのある製品を続々リリース(関連記事.1関連記事.2関連記事.3)する、IT戦士注目の会社である。

 この2社がタッグを組んだらさぞかしすごいかも、と期待するのは筆者だけではないだろう。早速その第1弾となるノートPC用USBスピーカー「Nita NB001」(以下、Nita)を試してみた。

パッケージは至ってフツー。残念。

 パッケージに記載されている日本語記述は「トラベルサウンド/パーソナル移動シアター/ノートブックコンピュータユーザー向けに設計された、便利で操作が簡単なパーソナル移動シアター。この2チャンネルUSBスピーカーの主なコンセプトは、全てのノートブックユーザーが2〜4平方メートル以内の狭い環境で5.1チャンネルサラウンドサウンド効果のシミュレーションを利用できるようにすることです。」(原文ママ)とある。

 ほんの少しだけ直訳ぎみに感じるが、書体も統一されており(ゴシック体と明朝体が程よくミックスされていたり、よく似た形の平仮名、例えば「て」が「こ」と表記されていたりする、何かに印刷されたものを見ながら、適当に似た書体を割り当てたでしょ、と言うような)、あの時代のぶっ飛んだコピーの片鱗は見られなかった。残念。

photo 「Nita」のパッケージ。"あの時代の"キワモノ感(こりゃ失礼)は感じられず、普通に買える(?)デザインとなっている

ノートPC用のUSBコンパクトスピーカー、ニーズはかなりありそうだ

 Nitaは、本体サイズ190(幅)×40(高さ)×25(奥行き)ミリと、たばこの箱を横に二つ並べ、高さを1センチほど切り詰めた程度のサイズで、重量約150グラムのUSBスピーカーだ。価格は6904円(税込み OZAKIなだけに「ロック魂」とかけたらしい。まったく……)

photo OZAKI「Nita NB001」

 スピーカーとしての主なスペックは、出力3ワット×2、S/N比100デシベル、インピーダンス4オーム。USB1.1バスパワーで駆動し、最大で500ミリアンペアを消費する。対応OSはWindows XP/2000 Professional/Me/98SEとなっている(なお、リリース上での対応OSには記載されていないが、MacOS X 10.2.3搭載のiBook G4でも音声再生のみであれば使用できた)。

 なお、意外に消費電流が多い。マウス程度であれば大丈夫だったが、外付け光学ドライブやHDDなど、同じく電流を多めに消費する機器とのバスパワー駆動での同時使用は難しいだろう。

 付属するUSBケーブルは、ケーブルが邪魔にならない巻き取り式のもので、本体側に接続するコネクタは専用のミニインタフェースとなっている。最大ケーブル長は55センチで、ノートPC用として使用するにはちょうどよい長さである。

photo 付属USBケーブル(左)、キャリングケースも付属するNita一式(右)

 蛇足だがこのミニUSBインタフェース、小さいのはいいが、やや抜けやすい。試用当初、音楽を流しながら、ちょっとトイレに行って戻ってきたら音が鳴っておらず、スピーカーも認識されていなかった。前述のUSB電流不足に陥ったのか、はたまたもう壊してしまったのか……。いや、どうも飼い猫がじゃれて抜けたためらしい。

 本体後部には、ディスプレイに挟むことで設置できるクリップが搭載される。このクリップが挟める幅は約0.5〜1センチである。

photo 約0.5〜1センチ幅の部分に挟むことができるクリップ。クリップは底面を軸に180度回転するため、上下位置の調整が可能

擬似5.1ch出力機能で、映画DVD再生も迫力あるサウンドに

 Nitaの大きな特徴は、擬似5.1ch再生機能にある。ソリッドアライアンスが考えるシチュエーションはずばり「出張中に、その宿泊先ホテルでDVDを視聴する」ユーザーだという。

 何かずばり過ぎる気もするが、ノートPCの本体付属スピーカーと比べれば、何も出張に行かずとも、所持するノートPCの音に満足していないユーザー全般にメリットがあると思われる。"ながら"作業の機会が多い筆者の場合には、単なる音楽再生の際にも大きなメリットを感じた。

 擬似5.1ch再生機能用ユーティリティとして、「OZAKI USB SPEAKER Config(USB 3D Audio Configuration)」がコントロールパネルにインストールされる。ここから、視聴環境とサイズ、イコライザー、擬似5.1chのスピーカー位置などが調整可能となっている。

photo 音場とその広さ、イコライザー調整のほか、右部の頭上イラスト周りにある各種スピーカーの位置をずらすことによって、擬似5.1chスピーカー設定が行える

 なお位置調整は、ユーティリティツールと一緒にインストールされる「Helicopter」、あるいはWindows Media 9シリーズの5.1chデモムービーなどで試すとよい。

 Helicopterでは、画面上のヘリコプターが前後左右上下と行ったり来たりすることで、一緒に音が移動する。

photo スピーカー位置設定に便利な「Helicopter」

 5.1chデモムービーの一つ「Pinball Demo」では、ボールの反発音や、ボールに当たって回転する板の回転音などがさまざまな位置に移動する。

Windows Media 9シリーズの5.1chデモムービー

 さて、どうも見覚えがある画面だなと思ったら、USB接続タイプの光出力インタフェース機器であるエムアイビー「ひかり5.1号」(関連記事参照)のものとほぼ同じようだ。これをレビューしたO記者は「おまえ絶対1回やって飽きただろ」というような音場回転機能から、「ヘッドホンで聞けばもっと耳元できこえるじゃん」というようなスピーカーシフター機能などを素敵に試しているので、一緒にご覧いただきたい。

(次のページ:民生用5.1chのDVD視聴環境と擬似5.1ch環境の差を検証)

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