DMC-FZシリーズは高倍率ズームと光学手ブレ補正機能を搭載し、幅広いシチュエーションで撮影できるデジタルカメラである。同シリーズでは初めて有効画素数500万画素のCCDを搭載した製品が「DMC-FZ20」(以下、DMC-FZ20)である。
搭載された500万画素CCDは、総画素数536万画素の1/2.5インチと、500万画素クラスのCCDとしては小さいものだ。500万画素クラスのCCDは1/1.8インチのものが主流である。これは光学手ブレ補正機能があるため、撮像素子は小さいほうがコストや性能面で有利なためと思われる。
撮像素子が小さいと、光を受ける面積が小さくなるため画質は悪化しやすいが、LUMIXでは新開発の「ヴィーナスエンジンII」と呼ばれる画像処理エンジンで対応している。
画像サイズは2560×1920ドット、2048×1536ドット、1600×1200ドット、1280×960ドット、640×480ドット、1920×1080ドットの6種類だ。
本体は約127.6(幅)×106.2(奥行)×87.2(高さ)ミリとDMC-FZ10よりも幅が1センチほど短くなったが、そのほかはほぼ同じ大きさである。重量は本体のみがDMC-FZ10よりも2グラム重くなった程度だ。
撮影モードは本体上部のダイヤルによって設定する。ダイヤルには「プログラムオート」、「絞り優先」、「シャッター速度優先」、「マニュアル」、「マクロ」、「動画」、「シーンモード」がある。
シーンモードには「ポートレート」、「スポーツ」、「風景」、「夜景」、「夜景ポートレート」、「流し撮り」、「花火」、「パーティー」、「雪」の9種類あるが、シーンモードとしては「SCN1」、「SCN2」の2つが使用でき、それぞれ別のシーンモードを選択しておける。こうすることで、よく使うシーンモードが2種類あっても、ダイヤル操作だけで素早く撮影モードの設定ができるのだ。
マクロモードはダイヤル内に独立してあるので、ほかの撮影モードやシーンモードなどと併用することはできない。ただ、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルモード時はマクロモードと同じ広角端で5センチまで接写できる。そのほかの撮影モードでは広角端で30センチまで接写できる。望遠端は撮影モードに関わらず、2メートルまで接写可能だ。
操作性はDMC-FZ10同様に使いやすい。ボタン類の配置も分かりやすく、すぐに操作も覚えられるだろう。
フォーカス切り替えは本体向かって右側にあり、マニュアルフォーカスも可能だ。マニュアルフォーカスはレンズ部のマニュアルフォーカスリングを回すことでフォーカス合わせができる。一眼レフカメラに使い慣れた人には使いやすい操作だ。
マニュアルフォーカス時でもフォーカス切り替えレバーを下に押すと、フォーカス合わせが行われる。ある程度は自動でフォーカスを合わせ、好みの位置までフォーカスをずらすという操作もできる。
ただ、マニュアルフォーカス機能を使う機会はDMC-FZ10よりも少なくなるだろう。詳しくは後述するが、オートフォーカスが全体的に動作も速く的確に行われるため、必要に迫られてマニュアル操作を行うことが減ったのだ。
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