ペットを撮るときに注意することは何か。一番よくいわれるのは「ペットの目線で撮れ」ということ。子供を撮るときでも同じだが、大人の普段の目線はけっこう高い位置にあるので、そのまま撮ってはペットを上から見下ろした写真ばかりになってしまう。それでは芸がないし、肝心のペットの顔がなかなか撮れないし、そもそも見下ろした写真はなんだか偉そうだ。
この3枚を見ると違いがわかると思う。ペットの目の高さに合わせて撮ると一番仲良し感が出る。だからひと手間かけてでも、しゃがんで低い位置から撮るのがいい。
特にデジカメは液晶モニタを見ながら撮れるので、カメラを目の前に構えなくてもいい。多少モニタが見えづらくても、そこはカメラを信じて、ちょっと腕を低い位置におろして撮るだけでもいつもと違う写真になる。
もし回転レンズ式のデジカメを持っているなら、それを活用しない手はない。
もしペットを中心に撮りたいという人に相談されたら、わたしはまずソニーのDSC-F88を勧めるだろう。こんな超ローアングルは他のデジカメではなかなか撮れないからだ。これだけでなんとなく、都心の公園ではなく雄大な自然の中にいるように見えるから不思議だ。
こういう立ち止まったペットの時は話は簡単だが、ペットはたいてい思ったようにじっとしててくれないし、犬を飼っているならやはり走っている姿を撮りたいと思うもの。
自分に向かってくるペットを撮るのは至難の業だ。レンズをできるだけ望遠にして撮った方が迫力があっていいのだが、それだとデジカメのオートフォーカスが間に合わずに、ピンボケになる。それはもうかなり高い確率でそうなる。
一部に動体予測AFという、動いている被写体の動きを予測しながらピントを合わせる機能を持つ機種もあるが、なかなかそれだけのために高いデジカメを買うわけにもいかないだろう。
そういうときは「置きピン」技を使う。あらかじめ、地面の目印になるようなものでピントを合わせ、シャッターボタンを半押しにしたままじっと走ってくるのを待っていて、その目印の上に来たときシャッターを切るのだ。それでもなかなかうまくいかないが、それはデジカメのオートフォーカスがもっと高速で賢くなるまではしょうがないだろう。
走っている姿を流し撮りするのはそれよりは簡単、でもないがうまくいったときはなかなか楽しい。
走る姿を横から撮ろうとすると、走る犬はすごく速いのでどうしても「被写体ブレ」を起こしてしまう。背景はきれいに撮れているのに被写体だけがブレていると、なんとなく締まりがない。
そこで、被写体のスピードに合わせてカメラを動かしながら撮ると、うまく背景が流れて被写体はあまりぶれないというおいしい写真になるのだ。これはもう走る犬を液晶モニタで見ながら、それに合わせたスピードで腕を大きく動かしつつシャッターを切るしかない。もう腕を伸ばして肩から先で犬と平行にカメラを動かす感じで撮るのだ。
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