サウンドを強化して迫力のMusic&MoviePCに変身──ソニー VAIO type M VGC-M50B/S(1/2 ページ)

» 2004年10月04日 18時49分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

“安価なテレパソ”だけじゃなくなったtype M

 第二章VAIOもこの秋モデルで第2フェーズに突入し、さらなる新モデルが投入された。旧世代VAIOでベテランユーザーの評価はイマイチだったのに、発売されたら大当たりとなったバイオWが、VAIO第二章でスッパリとなくなって筆者は少々驚いたのだが、どっこい秋モデルで液晶一体型モデル「VAIO type M」が新たに登場した。「Wをひっくり返したらM」とオヤジギャグを飛ばしたくなるような、見かけがよく似たtype Mだが、実際に使ってみると両者は少々毛色が違うマシンであることが分かる。

VAIO type M VGC-M50B/S

 一体型テレパソPCだったバイオWとは異なり、今回投入されるtype Mのラインアップは全モデルでTV対応となっているわけではない。“安価なテレパソ”というのがバイオWの魅力だったが、type MはむしろMusic&Movieの方向にシフトしている。もちろんTVを無視しているわけではなく、TV機能をカバーするVGC-M50B/Sも用意されている。今回評価するのもこの上位モデルだ。

type Mはデカラジカセ+ノートパソコン?

 type Mの風貌を一言で言うと「一昔前流行った重低音ラジカセの前にノートPCを置いたようなデザイン」とでもいえるだろうか。重低音ラジカセ、と聞くとボッテリしたイメージに結びつくかもしれないが、実際にtype Mをみるとスッキリとまとまっている。

 PCの本体となる後部ユニットが大きいのにはそれなりの理由がある。type Mは3ワット+3ワットのステレオスピーカーに加え、長さ900ミリの共鳴管を入れた5ワットスーパーウーファーが装備されている。オーディオフィルタ機能の助けもあり、鳴らしてみると実にすばらしい重低音が出力される。

 筆者はオーディオ評論家ではないし、「原音に忠実」というピュアなオーディオの世界からすれば、いささか邪道かもしれないフィルタソフトで作った音ではあるものの、type Mの音はPC的ではなく十分オーディオ機器として通じるつくりとなっている。筆者が“テレパソ”ならぬMusic&Movieにシフトした、と述べる理由がここにある。

 音を重視しているのはスピーカーだけではない。バイオW譲りの筐体構造も一役買っている。type Mは使わないときはキーボードを持ち上げてスペースを減らす構造になっているが、この収納状態でも液晶パネルの上部は見えたままになる。

 バイオWではこの状態で動作する時計とイルミネーション機能(Motion Clock)が用意されていたが、type Mでは「Sound FLOW」というソフトが動作し、BGMマシンと化すのだ。Sound FLOWの操作はマウスのみで行え、ちょっとしたミュージックサーバ的使い方も可能だ。

 もちろん、音楽だけでなく、時計、カレンダー、タイマー、CD再生(それぞれ機能をオフにできる)と家電では組み込みにくい機能が、PC的な使いこなしを必要としない簡便な操作で扱えるようになっている。

 type Mの良い音を支えているのは、すでに書いたフィルタ機能(SSMS)だ。標準では少々重低音を効かせた設定を含めて5種類がプリセットされている。これをSound FLOWやDo VAIOと連動させることも可能だ。

バイオWでもおなじみのハーフパネルを利用した表示機能。type MではSound FLOWとなってサウンドエフェクトの設定などサウンド系の機能が拡張された

静音性に振ったライトマシン

 店頭販売されるVGC-M50B/S(今回の評価機)と同M-30B/Wは色違いの兄弟機で、M50はシルバーベースのカラーリング(マウスはブラック)にHDD容量が160Gバイト。加えてTV機能を備えている。一方のM30B/Wはホワイト基調(マウスもホワイト)のアッサリしたカラーリングで、HDDは120Gバイト。TVチューナーは組み込まれていない。

 いずれのモデルでもDVDスーパーマルチドライブと15.4インチワイドクリアブラック液晶(最大解像度1280×800ドット)、OSはWindows XP Home Edition(SP2)が入っている。外部端子は後方にUSB 2.0×3があるほかはすべて左にまとまっておりi.LINK端子(4ピン)、LAN、モデム、メモリースティック、USB 2.0×2、PCカードスロットとサウンド入出力。これにTVモデルの場合、ビデオINとアンテナ端子が加わる。

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