今年のセイコーエプソン複合機のラインアップは、最上位機種の「PM-A900」から、今回紹介する「PM-A700」、顔料「PX-Vインク」を採用する「PM-A550」まで4機種と、昨年よりも充実した。価格帯は以下のような形になっている。
機種 | ITmedia Shoppingでの平均価格 |
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PM-A900 | 4万6769円 |
PM-A870 | 3万2476円 |
PM-A700 | 2万1530円 |
PX-A550 | 1万6542円 |
※2004年10月28日現在
もちろん、この価格に併せて差別化が図られているわけで、今回紹介するPM-A700の場合は、上位機にあるような液晶モニタは存在しないし、色数は4色だし、スキャナもCCDではなくCISが採用されているなど、コストパフォーマンスを重視した設計となっている。
複合機の場合、昨年の「PM-A850」を購入したユーザーの例で言えば、PCには接続せず、単独でのコピーや、メモリカードからのダイレクトプリントとしてのみ利用する目的で購入する人もいたという。価格帯から言っても、PM-A700でもこのようなニーズもあるに違いない。
いずれにしても、このラインアップの中でPM-A700を選択するケースというのは、予算に見合ったコストパフォーマンス、ということになると思うので、上位機との違いや、PM-A700本体固有の機能などについて見ていきながら、紹介していきたい。なお、プリンタドライバなどは複合機、シングルファンクションともに共通なので、関連記事を参照してほしい。
PM-A700はパールホワイトの筐体で、シンプルな作りになっている。PX-G920/PM-G820のレビューでも紹介したとおり、今年のカラリオシリーズは、シングルファンクション機では「カラリオプロセレクション」は銀色の筐体、通常のラインアップは白色の筐体、と分かれている。上位機の「PM-A900」「PM-A870」が銀色であるのに対して、PM-A700は白。ということはどちらかというとエントリーモデル、という区分けになる。
PM-A700に用意されているのはCMYBkの4色。上位機がライトシアン/ライトマゼンタを加えた6色機であるのに比べて2色少ない。90×4ノズルで、最高解像度は5760×1440dpi、最小ドロップサイズは3ピコリットルだ。ただしインクは昨年と同様のつよインク「PM-Gインク」が採用されており、各色独立タンクタイプである。カラリオのWebサイトによれば、ランニングコストはL版で17.4円となっている。
先ほども述べたように画像確認用の液晶モニタは存在しないが、その代わりサイズはコンパクトだ。430(幅)×354(奥行き)×181(高さ)ミリとなっており、シングルファンクションである「PM-G700」よりも幅は小さく、奥行きも狭くなっている。
画像印刷時にPM-A700を単体で利用する場合には、ほかの複合機と同じように「オーダーシート」による画像選択→印刷という作業のほか、デジカメ側でDPOF指定によるPictBridge/USB DIRECT-PRINT機能を使って印刷することになる。
オーダーシートによる手順は、本体左に用意されている「メモリカード」というボタンを押して「オーダーシート印刷」に合わせたあと用紙をセットして、「カラー」のスタートボタンを押すだけでよい。オーダーシートの中身もバージョンアップされており、昨年の「PM-A850」では印刷枚数が指定できなかったのだが、全複合機共通で、今年からは1〜3枚の間で指定できるようになった。なお、オーダーシート印刷後には自動的に「オーダーシート焼増」「L版」指定へ設定が変わるなど、ユーザビリティも考えられている。
メモリカードスロットはコンパクトフラッシュ、スマートメディア、メモリースティック、SDメモリーカード/MMC、xD-ピクチャーカードに対応するスロットを搭載する。メモリースティック DUOなど、小型のメモリカードにはアダプタ経由で利用することになる。
PM-A700のスキャナ部だが、透過原稿ユニットは装備されておらず、フィルムスキャンはできない。CISが採用されていることもあり、スキャン速度はそれほど速いわけではない。また、スキャンボタンも用意されていないので、単独でスキャニングしたいときにはPC経由となる。
コピー機能については、単独のボタンが用意されているほか、枚数も指定できる。ただし、単独では等倍のコピーしかサポートしておらず、拡大/縮小コピーしたい場合はPC経由で行う必要がある。
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