合焦の瞬間には、ファインダー内の測距点が赤く光り、ピピッという電子音が鳴る。11の測距点は、自動または背面の十字キー操作でダイレクトに切り替えられる。シングルAFとコンティニュアスAFの切り替えはなく、撮影モードの「動体」を選んだ場合のみ、コンティニュアスAFが機能する。ファインダーは、従来と同じく視野率95%のペンタプリズムファインダーで、まずまずの見やすさだ。
また、2.0インチの液晶モニタ、USB2.0対応、再生時の白とび警告機能、1/180秒のストロボ同調、PictBridge対応など、従来よりも進化した部分も少なくない。暗所でのAFスピード以外には、試用中の不満は特に感じなかった。
ガラスペンタプリズムによるファインダーを採用し、視野率は95%、像倍率は0.95倍となる。またフォーカシングスクリーンの交換に対応する。ファインダー内の情報表示は、*ist Dにあったバーグラフが省かれている
2.0インチで約21万画素の液晶モニタを搭載し、最大12倍の拡大再生、9画面再生、白とび警告表示、ヒストグラム表示などに対応する。また、起動時や撮影モードを切り替えた直後の3秒間には、撮影モードやストロボモードなどのカメラの設定がガイド表示される*ist DSの撮像素子は、*ist Dと同じくAPS-Cフィルムサイズの有効画素数610万画素CCDを採用する。最近は800万画素クラスのデジカメが増えているが、600万画素もあればA4印刷には十分である。
発色は、メニュー内の「画像仕上」設定から「鮮やか」を選ぶとクリアでこってりとした色になり、「ナチュラル」を選ぶと、彩度、コントラスト、シャープネスが控えめになる。手っ取り早く印刷して鮮明なプリントを得たい場合には「鮮やか」モードのほうが見栄えがよくなる。
ただし、鮮やかさだけでなく、被写体のエッジのシャープネス強調も行われるので、人肌の再現はあまりきれいとはいえない。ポートレート撮影などには「ナチュラル」モードのほうが向いている。
また画像仕上設定とは別に、「彩度/シャープネス/コントラスト」をそれぞれ±2段にカスタマイズできるので、用途や被写体に応じた最適な組み合わせを見つけるといいだろう。あるいは、RAWモードで撮影して、付属のRAW現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory」を使ってパソコン上でじっくりと画質を調整するのもいい。
ただし、RAWモードでじっくりと撮るよりも、このデジカメの場合はより手軽にたくさんの枚数をバシバシ撮る使い方が似合っていると思う。大きくて重いデジタル一眼レフ機は、今日は撮るぞと気合を入れて持ち出す必要があるが、本機なら日常感覚で扱える。リチウム電池CR-V3や単3形電池に対応しているので、バッテリー充電の手間もかからない。
付属のRAW現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory」の画面。トーンカーブ、ホワイトバランス、感度、コントラスト、彩度、シャープネスなどの調整ができ、JPEGまたは16ビットのTIFFファイルとして保存できる「世界最小・最軽量のデジタル一眼レフ機」と硬く考えるよりも、イメージとしては、ちょっと大きなコンパクトデジカメというくらいに軽くとらえて楽しむのがいい。いっそのことシルバーボディも出して、ライトユーザー層にもっとアピールすればよかったのに、とも思う。同社の交換レンズには外装がシルバーのレンズも多いので、なおさらだ。
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