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» 2004年12月03日 17時23分 公開

指紋認証機能でセキュリティを強化したハイエンドスリムノート──日本IBM ThinkPad T42p (1/2)

日本IBMのA4ノートの中でも薄型高性能のThinkPad “T”のラインアップが一新。上位モデル「ThinkPad T42p」シリーズは機能、スペックともに妥協のないハイエンドモデルに仕上がっている。秋モデルで強化されたセキュリティ機能を中心に、この最上位モデルを使ってみた。

[池紀彦,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エム(IBM)のハイエンドA4スリムノート、ThinkPad T42シリーズが10月26日より全ラインアップを一新した。最上位となるT42pシリーズはすべてのモデルにインテルのモバイル用CPUの中でも最新となるDothanコア採用Pentium M 765(実クロック2.1GHz)を搭載、メインメモリにPC2700を標準で1Gバイトも備えるなど、贅沢なスペックのモバイルワークステーションに仕上がっている。

ThinkPad T42pの14.1インチ液晶ディスプレイ搭載モデル「2373-P1J」

 今回試用した「2373-P1J」はT42pラインアップの(価格的な)中位モデルになる。ほかのモデルとの最も顕著な違いは液晶ディスプレイのサイズで、2373-Qのモデルが15インチ、最大解像度1600×1200ドットというパネルを搭載しているのに対して、2373-P1Jは14.1インチ、最大解像度1400×1050ドットのパネルを備えている。

 なお、15インチ、最大解像度1600×1200ドットの液晶ディスプレイを搭載している「2373-Q3J」は、内蔵ドライブがDVD-ROM(2373-P1JはDVDマルチ)で無線LANモジュールを搭載していないため、価格は2373-P1Jを下回っている。

右側面には内蔵した光学ドライブとVGAコネクタが用意されている

左側面には、USBからLAN、モデム、PCカード(TypeII×2)など、主要なインタフェースが搭載されている(初回掲載時にSDカードスロットも記載されていましたが、T42pはSDカードを搭載していません。お詫びして訂正いたします)

背面にはパラレルポートがある

セキュリティに指紋認証用のセンサーを搭載

 T42pシリーズは、以前からCPU以外においても、パワフルなスペックを盛り込んだパーツが搭載されている。とくに、ビデオチップにATIのハイエンドチップである「ATI MOBILITY Fire GL T2」を搭載しているのは注目に値するだろう。ビデオメモリ容量は128MバイトとノートPCとしては大容量である。

 HDDも容量こそ60Gバイトと普通だが、7200rpmというノートPCとしては高速のドライブを搭載する。HDDの速度は体感速度に大きく影響するもので、実際、T42pを使うと、OSの起動やアプリケーションの起動などでそのパフォーマンスの高さを享受できるはずだ。

 いまやノートPCに必須となった感のある無線LAN機能はIEEE802.11a/b/gを備える。ただ、ビジネス用途で意外と多い「据え置きで使うユーザー」のことも考慮して、無線LAN機能をオプションにした下位モデルも用意しているので、不要なユーザーはそちらを選ぶのもいいだろう。

 メモリ用スロットについても、初期状態で1Gバイトもの大容量メモリを搭載していながら、さらに、空きスロットを一つ残している。512Mバイトのメモリくらいなら比較的安価に購入できるが、1Gバイトとなると途端に値段が跳ね上がるため、はじめから単体で1Gバイトのメモリモジュールを搭載しているのは、増設を考えているユーザーにとって大きなメリットだ。

 今回登場したT42p全モデルで最大の特徴として、指紋認証用のセンサーが内蔵されている点が挙げられる。また、セキュリティチップも全モデルに搭載しているので、これらを同社のセキュリティ機能と組み合わせて使うことで、ノートPCのセキュリティを容易に高めることが可能になる。

ThinkPad伝統の7列キーボード。カーソルキーの下、IBMロゴの上に指紋認識用のスリットが設けられている

 もちろん、これらパワフルなスペックがすべて価格に跳ね返っているのは否定できない。同社のオンラインショッピングサイト「IBMダイレクト」での価格は45万5700円となっている。

デルや日本HPの低価格ノートを見慣れてるユーザーには高額に見えるかもしれないが、増設が困難、換装は不可能、というノートPCにおいて、液晶ディスプレイやビデオチップなどに採用されたハイエンドな部品が、最高の性能を求めるユーザーに高く評価されている事実もある。また、夏に発売された前モデルと比べた場合、性能が向上したにも関わらず、価格は2万円前後ほど安くなっている点も見逃せないだろう。

Pentium 4搭載デスクトップに迫る性能を発揮

 これだけの高スペックハードウエアを満載したノートの性能が、持ち運び重視のB5モバイルノートやデスクトップなどと比較してどれくらいの差になるのか気になるところ。そこでAthlon XP 2500+(実クロック1.83GHz)搭載デスクトップとPentium 4/3GHz搭載デスクトップ、および、前回テストしたThinkPad X40(低電圧版Pentium M 738搭載モデル)の3台とPCMark04の値を比較してみた。

PCMark04(Build 1.2.0)

 パフォーマンスの結果は、正直予想以上で、実クロックで1GHz近くも離れているPentium 4と僅差のスコアを出すなど、改めてPentium Mの性能の高さを実感した。また、HDDテストでも7200rpmという高速回転の効果で、5400rpmのHDDを備えるAthlon XP搭載デスクトップが太刀打ちできなかったのも印象的だった。

 グラフィックス性能についてもミドルレンジクラスのビデオボードであるNVIDIA GeForce FX 5600との差はあまりなく、CPU性能の差がそのまま出ている程度だ。メモリがシングルチャネルでPC2700を採用していることもあってか、メモリのテストで大きく差を開けられていてしまっているため、総合スコアでPentium 4搭載デスクトップと差がついてしまったものの、デスクトップの代替として実用的な結果を出しているといえるだろう。

パスフレーズ入力から解放される指紋認証センサー

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