きょうは、「nForce 4 Ultra」「RADEON XPRESS 200」のベンチ結果をつい並べてしまったマザーボード(2/2 ページ)

» 2004年12月22日 16時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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パフォーマンスはほぼ互角「ただし、ストレージ周りは……」

 今回の評価では、NVIDIAとATIから提供されたリファレンスボードを試用した。NVIDIAのリファレンスボードはnForce 4 Ultraを搭載し、ATIのリファレンスボードはRADEON XPRESS 200を搭載する。ただし、RADEON XPRESS 200はローカルフレームバッファを実装していないタイプになっている。

 今回は、それぞれのパフォーマンスを比較するために、ITmediaのマザーレビューで定番の「SYSmark2004」「PCMark04」「Sandra 2004 SP2」「Winbench 99 Disk Winmark」をAthlon 64 4000+を基幹とするシステムで測定した。また、RADEON XPRESS 200のグラフィックス機能をIntel 915Gと比べるために、「3DMark05」をPentium 4 540&Intel 915Gの組み合わせと、Athlon 64 3500+&RADEON XPRESS 200の組み合わせで測定している。

テスト環境その1nForce4 UltraRADEON XPRESS 200
CPUAthlon 64 4000+
メモリPC3200 512Mバイト×2
ビデオRADEON X700 Pro(256Mバイト)
HDD日立GST Deskstar 160Gバイト/7200rpm/Ultra ATA
OSWindows XP Professional(英語版)
ServicePack2、DirectX9c

テスト環境その2Intel GMA 900RADEON XPRESS 200
CPUPentium 4 540Athlon 64 3500+
メモリPC3200 512Mバイト×2
マザーボートAOpen i915Gm-IATI リファレンスボード
HDDST3160023AS日立GST Deskstar 160Gバイト/7200rpm/Ultra ATA
OSWindows XP Professional(英語版)
ServicePack2、DirectX9c

SYSmark2004(Patch2)

PCMark04 Score

PCMark04 Video Compression

Sandra 2004「MemoryBandwidth」「Cache&Memory Benchmark」

Sandra2004「CPU Arithmetic Benchmark」

Sandra2004「CPU Multi-Media Benchmark」

Business Disk WinMark 99&High-End Disk WinMark 99

3DMark03 Score

3DMark05 Score

 FSB、メモリ周りのパフォーマンスは、両者ほとんど違いはない。わずかにRADEON XPRESS 200が下回る値となっているが、これはドライバチューニングの完成度が影響していると考えていいだろう。

 それよりも、顕著な違いを示しているのが、ストレージが関わるDisk WinMarkやPCMark04のHDDのテストだ。IXP400が影響しているのは十分考えられるところである。ただ、ULiのサウスブリッジと組み合わせた場合、このあたりのパフォーマンスは大きく変わる可能性があるので、これがRADEON XPRESS 200の致命的な欠点とは考えなくてもいいかもしれない(マザーボードを購入する場合、搭載されているサウスブリッジを確認する必要は出てくるだろう)。

 内蔵グラフィックスのパフォーマンスの比較は、Pentium 4とAthlon 64という根本的な相違があるため、参考値程度であるが、ともにUMAを利用した場合のパフォーマンスを比較している。3DMark03でも3DMark05でもRADEON XPRESS 200が優勢となっているが、CPUの違いを考慮すると、ほぼ均衡していると考えていい。

 3DMark05で「圧倒的」というほどの違いがでているが、GT結果を個別に見ていると、片や2.8、1.7、2.9であるのに対し、片や1.2、0.9、1.2と似たり寄ったりのFPSとなっている。ゆえにこちらも、Scoreの値ほどにはパフォーマンスは違わないと思われる。

 NVIDIAとATIのPCI Express対応チップセットのパフォーマンスはストレージ周り(もしくはサウスブリッジ周り)以外をみればほぼ互角。ただし、組み込まれた機能を比較するとnForce 4が魅力的に見えるかもしれない。

 RADEON XPRESS 200の強みは内蔵されたグラフィックス機能であるが、フレームバッファがない状態でもIntel GMA 900相当のパワーはあるようだ。それに加えて、内部構成やサポートする機能はIntel GMA 900より優れている。グラフィックス機能とコストを重視するユーザーにとっては、インテル、AMDを取り混ぜてもRADEON XPRESS 200は有力な選択肢になるのではないだろうか。

 マザーボードとしての機能を優先させるならば、nForce 4搭載マザーを、コストを優先させて統合型チップセットを選択するならRADEON XPRES 200搭載マザーを、というように性格の違いがある両者だが、それは、そのままAthlon 64を基幹とするシステムが、幅の広いユーザーに対応できるようになったことにつながる。両者のラインアップが店頭に並ぶ、年末から年明けにかけて、Athlon 64に注目しているユーザーはアップグレードの絶好の時期になるだろう。

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