第14回 動物園とズームとピントの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/2 ページ)

» 2005年01月27日 10時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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ペンギン編

 冬といえばペンギンである。かどうかは知らないけれども、やっぱ真冬に似合うのはペンギンなのだ。ペンギンのように愛想よくカメラにおさまってくれる動物は撮っていて楽しい。楽しいと思ったらいろんなポーズを狙ってたくさん撮ること。

 ではペンギンをバックに彼女を撮ろう。ここではIXY DIGITAL 40を使ってみた。

彼女の顔が暗いし、ペンギンがやたら遠くに見える

 2つの点でイマイチ。1つはちょうど逆光になって彼女の顔が暗いこと。でもお日さまの位置もペンギンの位置も動かせない。もう1つは広角側で撮っているのでペンギンがやたら遠くに見えちゃう。これは今1つ楽しくない。

 そこで望遠側にしてストロボを焚くのだ。

彼女の顔が明るくなった

 すると彼女の顔にはストロボの光が当たって少し明るくなる。内蔵ストロボはこのように昼間でも補助光として使えるのである。近距離で逆光の時は試しに使ってみるといい。

 もうちょっと臨場感を出してみるかと思い、彼女に少ししゃがんでもらった。ペンギンの高さと顔の高さを合わせるためだ。

ペンギンがより身近になる

 撮るときの高さを変えてみるというのは時には面白い効果を生む。

 続いてフラミンゴの前。

目の高さで普通に撮影
カメラを上に上げて頭の上から撮影

 1枚はそのまま目の高さで普通に撮り、もう1枚はカメラを上に上げて頭の上から撮ってみた。単に手を伸ばして上から撮っただけだが、こういう撮り方を気楽にできるのはデジカメの良さ。撮るときはファインダーを見られなくても撮ったあとでチェックしてうまくなければ撮り直せばいいのだ。

 ちょっと上から撮ると彼女の頭の回りにフラミンゴは配置されてかなりにぎやかになる。フラミンゴのように「にぎやか」が似合う動物はやはりにぎやかに撮りたいのだ。

檻の中を上手に撮るには

 動物園編の最後は、檻の中を撮る話。

 檻の中にいる動物を無造作に撮ると檻にピントが合っちゃって何を撮りに来たか分からない、なんてことになる。

 どうするか。イヤ実はどうもこうもなく、モニタを見ながら向う側にピントが合うまで、シャッターを半押しにしたり戻したりしつつ試行錯誤するのである。

 もっともコツはある。まずレンズはできるだけ望遠にする。絞り優先AE機能があれば、絞りを開ける(小さな数字にする)。

絞り優先AE機能を使おう

 望遠にするとピントの合う範囲が狭くなるので、動物にうまくピントが合えば手前にある檻はこのようにボケてくれやすくなるのだ。

 そしてできるだけ檻の近くから撮る。その方が檻にピントが合う可能性が減って檻がボケやすくなる。うまくいかないときはマニュアルフォーカスを使ってみよう。

 実は動物が檻から離れてくれた方が檻はぼけやすい。

檻はうまくボケて、ツルにピントが合っている

 同じ位置から奥にいるツルを撮ったのだが、檻の鉄柵はほとんど気にならないはず。ピントが合っている位置(ツルの位置)と檻の距離が離れているため、檻のボケがより大きくなっているのだ。

 でもデジカメはフィルムのカメラに比べて「ピントの合う範囲がそもそも広い」ので、3倍ズームクラスだと檻をきれいにぼかして向こう側の動物だけを撮るのは難しいんだけれども、まあその分人物と動物を一緒に撮るって技を使いやすいわけで善し悪しだ。

 今回のポイントは、デジカメの特性を知っていればちょっとした工夫でいろんなシチュエーションに対応できるということ。デジカメに付いているいろんな機能はこういうときにこうして使うのだ。

(モデル:宮田真帆)



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