第16回 雪のまぶしさと露出の関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/2 ページ)

» 2005年02月24日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 雪景色を撮る、雪国で撮る、そういう機会が出てくる冬だけれども、実は、雪景色ってデジカメが不得手な被写体なのだ。その理由は4つもある。

 1つめは「寒い」こと。当たり前だけど、デジカメカタログの「動作温度」の項目を見てみると、たいてい「0〜40度」と書いてある。つまり0度より寒い場所での動作は保証しませんよということだ。まあ気温が零下でもポケットの中はもっと温かいし、気温が零下でもカメラ内の温度まで一緒に下がるわけじゃないので、よほどの寒冷地でもない限り動作しないことはないだろうが、やはり電池の持ちが悪くなるなどの影響は出やすい。

 2つめは「濡れる」こと。デジカメに雪がつく。雪は溶けて水滴となる。水滴はなんだかんだいって大敵。故障の原因だ。

 そして、3つめと4つめが雪景色特有の「色」と「明るさ」だ。これについては本文中で詳しく触れよう。

雪国向けのデジカメや雪国向け装備

 もし晴れていて、なおかつカメラを乱暴に扱って雪に埋もれさせたりしないのなら、デジカメはどんなものでもいい。ただ持ち歩くときは裸でブラブラさせず、ポケットなどに入れておくこと。撮る直前まで懐から出さない方がカメラが冷えなくていいし、カメラも濡れない。首から提げているといつのまにか“雪まみれで濡れて大変”ってことになりかねない。撮るときだけ出して、撮り終わったらまたポケットかバッグにしまうのだ。

 あとは手袋していると操作しづらいこと。当たり前だけど、もし手袋をしたまま使いたいなら、超小型機よりも、最低限必要なボタン(電源と撮影・再生の切替とシャッターボタン)が大きくて押しやすい機種がいい。

 でもやはり水滴は心配、というのなら生活防水機能がついたオリンパスのμ Digitalシリーズや防水仕様のペンタックスのOptio WRシリーズもいい。さらに、防水防滴がしっかりしたゴツい“現場対応”デジカメもある。これらは手袋をしたままでも操作できるし雪に埋もれても水没させても壊れなくてよいが、高価だし種類も少ないから、まあ無理に選ぶこともないだろう。今回は「μ mini Digital」を持って行ってみた。

 でも雪が降っていたり、せっかくの雪の中だからカメラに気を遣わず気楽に撮りたいとも思うだろう。簡単なところなら、ソニーの「DSC-F88」や「DSC-T3」用に出ている「ジャケット」系のケースがある。特に防水でもないが、透明なケースに入れたまま撮影できるのでちょっとした雪なら問題ない。この辺はお気軽で良い。

DSC-F88専用ジャケット

 水中撮影用のキットを使う手もある。今回はキヤノンの「IXY Digital 50」を「オールウェザーケース」にセットして使ってみた。これなら雪に埋もれようが吹雪の中だろうが問題なく使えるのだ。

IXY Digital 50専用オールウェザーケース

 ちなみにオールウェザーケースは1万円ちょっとで買える。他社の製品でも、「マリンパック」のような名前で水中撮影用ハウジングとして発売されていれば(ちょっと高価だが)使える。これなら手袋をはめたまま操作もしやすいし、水中でも撮れるのでヘビーデューティーな用途でもOK。首からカメラをぶら下げて雪に埋もれてころげまわってもいい。まあ少々高価なのとせっかくのコンパクトデジカメがかなりゴツくなるのが難点だが、しょうがあるまい。

雪は明るくて青いっ

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