指先から甦る「あの時代」――いにしえのAppleキーボードを復活させる小寺信良(3/3 ページ)

» 2005年02月28日 10時05分 公開
[小寺信良,ITmedia]
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 Fキーの周りが広く開いているのは、ここにFキーの用途を記すためのプレートがはまるようになっていたからである。プレートを固定するためのポッチが、左右の端にある。

 また標準キーボードにはないチルト機構を備えているのも特徴である。これは背面のレバーをスライドさせることで、足の長さがバリアブルに調節できるという凝ったもので、もはや今となってはコストがかかりすぎて実現できない機構だろう。うーん、いいキーボードだ。

背面のレバーをスライドさせると、チルトスタンドが出てくる

専用ドライバで遜色ない入力

 WindowsでMac用キーボードを使うには、USB変換器で物理的にPCと接続すれば、それなりに文字は打てる。だがMac独自のコマンドキーの扱いや、Ctrl+Alt+Delをどうやって実現するかといった問題をクリアするには、専用ドライバで動かしたほうがいい。

 このニッチな用途を満たすのが、トリニティーワークス有限会社のAppleK Proというドライバだ。クレジットカード決済で2782円だが、事前に動作テストできるよう試用することもできる。またMac特有の、スクリーンショットを取るショートカットなどもエミュレーションしてくれるので、MacとWindowsの両方をいいとこ取りできるというメリットもある。

Mac用キーボードに対して細かい設定が可能な「AppleK Pro」

 さて、こうして無事あこがれのキーボード、そして懐かしのキーボードを使って文章をつづることができるようになった。このコラムも、もちろんこの両キーボードを使って書いている。

 最後にキータッチについて触れておこう。両方ともスイッチや基板など、実態はALPS社製なのだが、キータッチはかなり違っている。標準キーボードは若干クリック感が強く、タッチはやや重い。ストロークは深く、タイプするとカラカラと軽快な音が響く。

 一方拡張キーボードは、標準キーボードよりもストロークが浅めで、タッチも軽めだ。タイプするとカサカサカサッと乾いた小さな音を立てる。これはスイッチ取り付け基板に分厚い鉄板を使っているからだろう。

ベースにかなり厚手の鉄板を使用している

 キーボードはいつの間にか、膨大なスイッチのカタマリの割にコストをかけられないという、可哀想な宿命を背負ったデバイスとなってしまった。今でもその気になればいいキーボードを作れるメーカーもあるが、結果的にものすごい金額になってしまうというのが悩みどころだという。

 だが過去には、ぜいたくな作りの名機がたくさんあったのも事実だ。読者諸氏も古いキーボードを死蔵しているのなら、復活の方法を考えてみてはどうだろうか。今は結構いいOAクリーナーがあるので、分解掃除をすればかなりきれいになる。せっかくの名機がさび付いて朽ち果ててしまう前に、最後にもう一花咲かせてやろうではないか。

小寺信良氏は映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。

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