夜空をふと見上げると、星がまたたいていて、あれを撮れたらきれいだろうなあと思ったりするのもまた人情である。しかしいきなり夜空の星を撮る、というのも無謀なので、今回は大望遠デジカメでの夜空の撮影方法と、天体望遠鏡の話をしよう。
まずは月。実は月を撮るのはすごく簡単なのだ。なぜなら、月はすごく明るいから。とりあえず望遠デジカメを持って月を撮ってみよう。
ここで注意すべきは、オートでは撮らないこと。月は明るいけど夜空は暗い。当たり前だ。オートで撮ろうとすると、カメラは「暗い夜空」に影響されて、すごくシャッタースピードが遅くなる。結果として、シャッタースピードが遅いので手ブレし、しかも月は明るく真っ白に光っちゃって単なる白い丸になって、何を撮りたかったか分からないで終わるのである。
月はマニュアル露出で撮るべし。
もし満月で雲一つない日だったら、1/250秒くらいまでシャッタースピードを上げてもOK。これなら気をつけて撮れば手ブレ補正なしのデジカメでも十分撮れる。シャッタースピードを変えながら何枚も撮ってみよう。
でも上げすぎるとちょっと風情にかけるので、撮りながら判断しよう。
望遠デジカメじゃなくてマニュアル露出もない場合は、月の位置が低いときに夜景と一緒に撮ってみるなんてのも手だ。
月以外の星も撮りたい。
普通のデジカメで星座をきれいに撮るのは難しいけれども、火星や木星といった明るい惑星ならなんとかなる。
三脚を用意し、超望遠デジカメを据え付け、セルフタイマーで撮る。セルフタイマーというのが重要だ。手でシャッターを押すと三脚を使っていても微妙に手ブレしやすいからだ。
たまたまベランダから木星を撮れたので見て欲しい。
プログラムオートでシャッタースピード4秒で撮った木星である。オートフォーカスは合わないので、マニュアルで無限遠にピントを合わせて撮影した。木星の右上に青く写っているのが……すみませんよく分かりません。
もっとシャッタースピードを遅くすれば多少星空も撮れるが、シャッタースピードを落としすぎると今度は星が流れてしまう。地球の自転って意外に早いもので、4秒のシャッタースピードで撮ったこの写真もよく見ると星が横にずれているのだ。かといって感度を上げると、今度はノイズが増えて夜空が汚くなってしまう。
その辺が難しいところなのである。
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