昨今、プリントサーバ機器におけるニーズの多くに、安価さ、そして双方向通信に対応することが挙げられる。
一般的に、1万円以内で販売されているプリントサーバ製品の多くは単方向通信のみに対応するものがほとんど。家庭内LANでの使用において、プリンタを共有し印刷(PC→プリンタへのデータ送信)はできるが、プリンタ側で提供されている機能、例えばインク残量の確認(プリンタ→PC)や複合機におけるスキャナ機能の操作やメモリカードリーダー機能などが利用できない。
そのようなわけで、多機能プリンタの機能を損なうことなく、家族みんなでそれを共有しようというならば、双方向通信対応に対応した製品が望ましい。今回試したコレガ「CG-FPSUBD」は、1万円台というそこそこ安価な価格で、この双方向通信機能を実現したプリントサーバだ。
CG-FPSUBDは、100(幅)×80(奥行き)×28(高さ)ミリというコンパクトな筐体にUSB×1とLAN×1、ACアダプタ接続端子、設定リセット用のボタンが備わる。
CG-FPSUBDの導入は、既存のLAN環境に接続して利用するのが一般的だ。今回はルータを頂点とし、DHCPからIPアドレスを割り振る形式の一般的な家庭内LAN環境にて、そのインストールからプリントアウト、そして双方向通信のテストを行った。検証に使用したプリンタは、複合機モデルであるキヤノン「PIXUS MP390」だ。
配線作業は、LANハブにCG-FPSUBDを、CG-FPSUBDとUSB接続にてプリンタを設置するだけ。そしてユーティリティーツールを付属のCD-ROMよりインストールする。CD-ROMメニューには3つの項目があり「PS Setup II」と「PS Admin IV」、そしてマニュアルが用意されている。
まずは「PS Setup II」をインストールし、プリントサーバを認識する作業を行う。このツールによりプリントサーバのMACアドレスを検索し、表示された結果からCG-FPSUBDを選択する。その後、IPアドレスの割り振り方の選択に移るが、ルータのある環境などではDHCPによる自動割り振りに任せておけばいいだろう。もちろん固定IPアドレスを直設定することもできる。
続いて「PS Admin IV」をインストールする。これはプリントサーバとの接続を確立するユーティリティツールで、起動するとプリンタが認識される状態になる。これによりプリンタをネットワーク越しに利用可能となるという仕組みのようだ。なお、今回はインクジェット複合機である「PIXUS MP390」を用いたが、プリンタドライバ以外にも、スキャナとFAXドライバも正常にインストールされた。
なお、CG-FPSUBDに割り振られたIPアドレスをブラウザに入力することで、よくあるブロードバンドルータの設定画面のような管理画面にアクセスできる。ここではステータス確認のほか、IPアドレスの固定割り当てや管理者パスワードの変更、特定IPアドレスの許可/拒否設定など、より細かな設定が行える。セキュリティ設定は環境に合わせて設定するとよりよいだろう。
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