3年ぶりに登場したミニノートPCに東芝の本気を感じた──東芝「libretto U100/190」(1/3 ページ)

» 2005年04月20日 16時30分 公開
[石井英男,ITmedia]

超低電圧版Pentium M 733搭載で大幅にパワーアップ

 Librettoシリーズが初めて登場したのは、今からもう9年も前の1996年4月のことだ。その第1号機「Libretto 20」を初めて見たときの衝撃を、筆者は今もはっきりと覚えている。

 CPUにDX4/75MHz相当品を搭載した「Libretto 20」は、ほぼVHSビデオテープと同じサイズで重さ850グラムという小型軽量な筐体で話題となった。Librettoシリーズは、その後もモデルチェンジを繰り返してきたが、1999年10月に登場したLibretto ff 1100Vのあとしばらく新製品が投入されなかった時期がある。これは、インテルのモバイル向けCPUの消費電力が増大し、LibrettoのようなミニノートPCに搭載するのが難しくなったためだ。

 それから約1年半たった2001年3月、TransmetaのCrusoe TM5600を搭載したLibretto L1が登場。ただ、液晶サイズが従来の7.1インチから10インチへと大型化し、それにあわせて筐体サイズも大きくなってしまった。Libretto L1は決して悪くないマシンであったが、サイズはサブノートPCに近くなってしまい、Librettoらしさが失われたという意見も少なからず聞かれた。

 Libretto L1は、その後L2、L3、L5とマイナーチェンジを繰り返したが、2002年4月に発表されたLibretto L5を最後に、再び長い「雌伏の時代」を迎えることになる。

 今回発表された「libretto U100」(dynabookなどと同様、新製品では表記がすべて小文字になっている)は、東芝ポータブルPC20周年を記念して登場したモデルであり、まさに新世代のミニノートPCと呼ぶのにふさわしい製品に仕上がっている。

7.2インチワイド液晶ディスプレイを搭載したlibretto U100

 libretto U100のサイズは210×165×29.8〜33.4ミリで、初代Libretto 20(210×115×34ミリ)と横幅や厚さがほぼ同じである。まぎれもなく、ミニノートPCと呼べるサイズである。重量も約1キロ(カタログスペックとしては999グラム)と軽く、携帯性について文句はない。

 筐体のデザインも従来のLibrettoのイメージから大きく変わっており、なかなか斬新である。ボディカラーは、ブルーとホワイトの2色が用意されているので、好みに応じて選択することもできる。バッテリーが筐体後ろにはみ出す格好になっているのは、バッテリー駆動時間を重視して、6セル仕様のバッテリーを搭載したためだ。

 CPUは、超低電圧版Pentium M 733(動作クロック1.1GHz)を搭載し、チップセットにグラフィックス統合型のIntel 855GMEを採用している。メモリは標準でPC2700/256Mバイト実装しており、最大1GBまで増設が可能。ただし、標準状態で、1つしかないメモリスロットに256Mバイトが装着されているため、増設するためには差さっているメモリを外して、大容量のメモリを装着する必要がある。

 HDD容量も60Gバイトと大きく、スペック的には10.4インチクラスの液晶ディスプレイを搭載したノートPCにひけをとらない。また、加速度センサーを搭載し、落下や衝撃を検知して自動的にHDDの磁気ヘッドを退避させる「東芝HDDプロテクション」機能を装備したことも携帯利用が多くなるミニノートPCとして高く評価したい。

メモリスロットとしてSO-DIMMスロットが1基用意されており、標準状態ですでに256MバイトのSO-DIMMが装着されている

LEDバックライト採用で高輝度と省電力を実現

 液晶ディスプレイとして、7.2インチClear SuperView液晶が採用されている。解像度は1280×768ドットで、一般的なXGA液晶よりも横が256ドット広い。ドットピッチがかなり狭いため表示される文字も小さくなるが、読みにくいと感じたら、フォントサイズを大きくすることで対処可能なのでそれほど神経質になることはない。

 また、液晶のバックライトに一般的な冷陰極管ではなく、32個の白色LEDを利用していることも特徴だ。LEDは冷陰極管に比べて発光効率が高いため、同じ輝度をより少ない消費電力で実現できるという利点がある。また、インバータが不要なので、省スペースにも貢献している。

多目的に利用できる指紋センサーを搭載

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