HDDに動画や音楽などのファイルを普通にPCからコピーしたあと、AV-OUTケーブルにて家庭用TVのRCA外部入力端子に接続することで、TVに「MPEG4 PLAYER」なるAV操作インタフェースのトップ画面が表示される。
しばらくすると、HDD内のデータを読み込んでファイルやフォルダリストがWindowsエクスプローラふうに表示される。このときの経過時間は、試した計50Mバイト分ほどのリスト読み込みで10秒前後ほど。これはHDD性能そのものによる部分も大きいとは思われるが、「ん、まだ?」と思いはじめるほどの時間がかかる印象だ。
あとは付属するカード型リモコンで操作しながら、ファイル選択して再生するだけ。動画再生中でも、音声をモノラル/ステレオに変更したり、ファイルの巻き戻しや早送り操作など、ひと通りの操作はできる。もちろんHDDが正常に動いている間は、リモコン操作と画面の変遷はほとんどタイムラグがなかった。
ところがHDDが異音を出し始めてしばらくすると、レスポンスが急激に悪くなり、しまいにはブルー画面になってアプリケーションが終了してしまった。もちろん、すべての原因は“壊れかけのHDD”にある。しつこいが“壊れかけ”ではなく、正常なHDDで使用するのが望ましい。
MPEG4 PLAYER使用において、英語表記ながらそれほど悩ましい部分はない。そこそこな操作感であるぶん、惜しまれるのは画質が粗いことである。
実際で見比べるとより分かるが、激しく色あせて表示される。ただし動画ファイルに関しては、やや色がくすむ傾向があったものの、JPEGデータ表示時より劣化しているようには見えなかったところはやや救いだ。
“壊れかけのHDD”のためにJHMP-2500Sなら欲しいと思えたのは、単純に単なる外付けHDDケースではなく、何となく“遊べる”と思えたHDDケースだったためである。
むろん2.5インチ外付け化ケースで、実売約1万円ほどの製品が値ごろか、というなれば少し微妙なところかもしれない。しかし、PC上では小型の外付けHDDとして普通に利用でき(TV出力機能と併用するならFAT32にしなければならないなど、若干制限はあるが)、家庭用TVへ簡単に出力できるということにメリットを感じられるユーザーも多いだろうと思われる。また、遊び・ビデオ視聴の用途だけでなく、たとえば会議用プレゼンムービー再生用、販売店における店頭用ディスプレイなどに表示させるといった用途など、かなり広いシチュエーションにおいて利用できそうではなかろうか。
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