きょうは「お父さんにも買えるデュアルコア」Pentium DとIntel 945Gを堪能してみたCPU(1/2 ページ)

» 2005年05月30日 11時09分 公開
[佐藤哲,ITmedia]

 先週の金曜日、インテルは新しいデュアルコアCPUとなるPentium Dを発表した。Pentium DはPrescottクラスのコアを2つ搭載した、一般ユーザー向けのデュアルコアとしては最初のCPUとなる。

 すでに秋葉原では、Pentium D 820(動作クロック2.8GHz)や同830(3GHz)が登場しており、利用するマザーボードとしてIntel 945G/Pチップセットもリリースされている。今回は、Pentium DとIntel 945Gを搭載したマザーボードを利用して、現在入手できるデュアルコア環境の実力を紹介しよう。

Prescottクラスのコアを2つ搭載したPentium D

 今回インテルがリリースしたPentium Dは、4月にリリースされたPentium Extreme Edition(以下Pentium XE) 840(3.2GHz)と同じ、開発コード名Smithfield(スミスフィールド)と呼ばれたコアを採用している。

 Smithfieldについては、以前の記事で解説したとおりで、基本的にはPrescottコア(1MバイトのL2キャッシュを持つPentium 4採用コア)が1つのCPUに2つ内蔵されたデュアルコアCPUだ。Pentium XEとの違いは、Pentium XEがハイパー・スレッディング・テクノロジ(以下 HTテクノロジ)に対応しており、論理コアを4つ(物理的なコアは2つだが、HTテクノロジにより各物理コアが2つの論理コアを持つ)のに対して、HTテクノロジに対応しないPentium Dは物理コアのみに2つとして認識される点だ。

Pentium Dで必要になるIntel 945とは

 インテルがPentium Dと同時に投入したチップセット「Intel 945G」「Intel 945P」チップセットは、基本的には従来モデルのIntel 915ファミリーの後継。スペックはほぼIntel 915と同等だが、サポートするメインメモリが、915のDDR2-533からDDR2-667へと引き上げられ、メモリの帯域幅が915の8.4Gバイト/秒から10.7Gバイト/秒へと大幅に引き上げられている。ただし、FSBは依然として800MHz(6.4Gバイト/秒)にとどまっており、CPUの処理能力から考えると、メモリの帯域幅アップはあまり性能には寄与しないと思われる。

 統合型のIntel 945GにはIntel GMA(Graphics Media Accelerator)950とよばれるこのGPUを内蔵する。動作クロックがIntel 915Gに内蔵されたIntel GMA 900に比べて引き上げられており(インテルは400MHzと説明している)、メモリの帯域幅が向上したことと合わせて描画性能が向上している。ただし、基本的なアーキテクチャに関してはIntel GMA 900とほぼ同等で、Direct X 9に対応したハードウェア(4パイプのピクセルシェーダユニット)を備える。

 注目すべきはサウスブリッジであるICH7だろう。とくにSerial ATAのRAIDに対応しているICH7Rに関しては、従来のRAID 0、1に加えて、RAID 5にも対応した。最近では、コンシューマーのユーザーでも、データの冗長性を実現する手段としてRAID 5が注目されているが、Intel 945のICH7RではそのRAID 5に標準で対応したことになる。

 また、Serial ATA Phase2のドライブは、ホットプラグ/アンプラグに対応しており、汎用のSerial ATA用エンクロージャなどを利用すれば、ホットスワップ環境を手軽に実現できる。

 なお、同じデュアルコアながら、従来のチップセットを利用できるAthlon 64 X2と異なり、Pentium Dを利用する場合には、Intel 945ファミリー(あるいはIntel 955Xか、サードパーティ製でデュアルコアへの対応を明らかにしているもの、例えばnForce 4 SLI Intel Editionなど)が必須になる。これは、Intel 915マザーでは、電源周りの設計がデュアルコアの消費電力(上位モデルは最大で130ワットに達する)に対応できないためだ。

シングルスレッド性能はクロックに比例、マルチスレッドアプリで効果大

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