PCへのTV機能追加が手軽に行えるようになった現在、ディスプレイへのチューナー/外部ビデオ入力搭載の必然性はかなり薄れつつある。リビングや一人暮らしの部屋にPCを置く際にも、とくにディスプレイ側にTV機能を要求する必要はない。TVのみならずDVD視聴などに関しても、PC上ですませればよいのはいわずもがなだ。
ただし、これはアナログ地上波のTV信号に限った話。ハイビジョン放送を受信して、そのままPC画面上に映し出せる製品は存在しないため、前述のような目的でハイビジョン信号までカバーしたいなら、やはりディスプレイ側に機能を求めなければならない。
今回試したソニーの液晶ディスプレイ「MFM-HT75W」は、地上波(アナログ)TVチューナーを内蔵し、RCA/S-Videoの外部ビデオ入力、コンポーネント映像入力(D4)にも対応する、PC向けディスプレイとしてラインアップされる17インチワイド液晶パネル搭載の製品だ。ステレオスピーカーも搭載しており、一般的なハイビジョン入力対応TVと変わらない使い勝手を提供してくれるというものだ。
2005年6月時点での実売価格は6万円台(ITmedia Shoppingで最安値をチェックする)。ソニーの家庭用TV「WEGA」シリーズの中で競合する製品は、と探してみたが、どうもないようだ。それもそのはず、D4端子を装備しているのは“ハッピー・ベガ”ワイド19インチの「KDL-S19A10」(実売価格は10〜15万円)以上で、すべてデジタル放送チューナー搭載モデルとなる。
“ハッピー・ベガ”シリーズにはいずれもPC入力も装備されるが、デジタル放送チューナーはすでに所有しており、なるべく低価格なものをを望むという人には、「MFM-HT75W」のほうが適しているわけだ。
また、今回試用した「MFM-HT75W」は17インチワイド液晶パネルを採用した製品だが、このHTシリーズには19インチの「MFM-HT95」というモデルも存在する。17インチワイドと19インチという画面サイズの違いはあるものの、機能面ではほぼ変わらない。また、画面サイズに関しても横幅はほぼ同じ(19インチモデルは非ワイドのため)。最大表示ドットは「MFM-HT75W」が1280×768(WXGA)ドット、「MFM-HT95」が1280×1024(SXGA)ドットとなる。「MFM-HT75W」と「MFM-HT95」との差額は2万円程度だ。
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